第104回全国高校野球選手権の第9日(14日)は3度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭が聖望学園(埼玉)に25安打で19―0と大勝、満員の甲子園を静まり返らせるほどの強さを見せつけた。
先発の「世代No.1」の呼び声高い左腕・前田悠伍(2年)は140キロ超えのストレート、スライダー、チェンジアップで聖望打線を手玉に取り、5回を1安打無失点、9奪三振とまさに「レベチ」な内容を披露。前田は「いい経験になった。緩急、奥行きを使って投げ、チェンジアップがよかった。どんな相手でも自分たちの野球をするだけ」と意気込んだ。
そんな前田の〝ルーツ〟はオリックスにある。2017年、小学6年生の時に少年軟式野球大会「バファローズカップ」で結果を残して「バファローズジュニア」に選出。毎年12月に行われる「NPB12球団ジュニアトーナメント」に向けて約3か月間の練習期間を過ごした。当時を知るチーム関係者は「小学生なんで楽しくやることが一番なんだけど、前田君は練習に真面目に取り組んでいたし、すぐれた身体能力があった。桐蔭に行ってここまで成長するのもやっぱりな、という感はある」と振り返る。
オリックスジュニアの指導方針の根幹は「心を育てること」。現在の小川博文監督は「技術はほっといても上がる。野球をやらせてもらう感謝の気持ち、相手を思いやる気持ちを持つことが大事。自分がされて嫌だな、と思うことはしない。送球でも相手が取りやすいところ、次の動作につながりやすいところに投げてあげる。それを把握した上でプレーに生かすこと」と選手に説いている。
もちろんトーナメント優勝が目標だが、それ以上に野球を楽しみ、思いやる気持ちを育てていく。小川監督は選手を怒ることはなく「ダメな時は怒るんじゃなく〝なんでこうなるのか〟を問いかける。遅刻しても〝みんなで行動しているから気をつけるんだよ〟と。頭ごなしに言うことはない」と徹底している。
そんな指導環境の中で選手たちは目覚ましい成長を遂げ、甲子園出場を果たし、西武・森、ロッテ・藤原、オリックス・来田、野口、池田らプロ入りする選手も数多い。「基本は小学生の時に作られる。そこを手助けしたい」(小川監督)。甲子園で躍動する前田の中にも、オリックスジュニア時代の学びが間違いなく生かされている。












