進化の秘密とは――。スペイン1部レアル・ソシエダードの日本代表MF久保建英(21)が27日(日本時間28日)のエルチェ戦に3試合連続でスタメン出場。ゴールこそならなかったものの、積極的な攻撃で1―0の勝利に貢献した。昨季とは打って変わり、新天地では開幕から絶好調をキープ。元日本代表MF前園真聖氏(48)がその理由を徹底分析した。


 久保はこの日も2トップの右で先発出場。これまで相棒だったFWアレクサンデル・イサクがニューカッスル(イングランド)に移籍したため、FWモハメド・アリチョーと新コンビを組んだ。

 前半18分に右サイドから強烈なシュートを放つなど、積極的に攻撃をけん引。後半3分にはMFダビド・シルバからのパスをゴール前で受けて決定機を迎えるが、シュートは相手GKエドガル・バディアの好セーブにあって、惜しくもゴールには至らなかった。久保は後半33分までプレーして無得点に終わったものの、チームの勝利に貢献した。

 昨季のマジョルカや2シーズン前のビリャレアル、ヘタフェなどでは低迷が続いたが、今季は開幕戦のカディス戦での鮮烈ゴールをはじめ、3試合連続のスタメン起用。水を得た魚のように新天地で躍動している。

 前園氏は「本当に彼のプレースタイルに合ったチームだと思います。プレシーズンからしっかり準備できており、周囲といい関係性が築けています。特にダビド・シルバとはテンポやリズムが似ていて、ポジショニングや距離感もいいです。マンチェスター・シティーやスペイン代表でも実績があるレジェンドですし、普段からお手本になっているのでしょう」と指摘。大ベテランの存在が久保の成長を促しているとみている。

 また、進化の理由を別の視点からも分析する。「Rソシエダードでは2トップ気味のシャドーで使われていますが、ポジションにとらわれず、空いたスペースに入ったりゴールに向かうプレーが見られます。今までは自分がパスを出したり周囲を〝使う側〟でしたが、今は〝使われる側〟となり新境地を開いています」。最前線でゴールを狙う役割が求められ、プレーや意識に変化が生まれている。

 また、課題だった守備面でも違いを見せている。「個人というよりチームとして攻撃により専念できる状況となり、今までより高い位置でボールを奪える〝積極的な守備〟をいい形でできていると思います」。これまでは守備重視のチーム戦術などに適応しきれなかった。攻撃的スタイルのRソシエダードでは過度に守備に奔走する必要もなく、前線で随所に効果的な守備を発揮できているというわけだ。

 最高の環境で日本の至宝の輝きが増している。