〝原点回帰〟で快挙を達成した。バドミントンの世界選手権最終日(28日、東京体育館)、女子シングルス決勝で世界ランキング1位の山口茜(25=再春館製薬所)が東京五輪金メダルの陳雨菲(24=中国)に21―12、10―21、21―14で競り勝ち、同種目で日本勢初の2連覇を果たした。

 同じ過ちは繰り返さなかった。かねて楽しむことを心掛けてプレーしてきたが、昨年の東京五輪は、前回のリオデジャネイロ五輪と同じ準々決勝で姿を消した。「普段は結果を意識することは少ないが、考え過ぎた」。大会はコロナ禍に揺れ、自国開催の重圧も加わって本来の勢いが影を潜めた。

 今大会は各所で「楽しむ」と口にしてきた。その意図について、所属先の池田雄一監督(38)は「本人が昔から追い求めているところ。自分が楽しいと感じた時にいいプレーが出ているという意味だと思う。やっぱり楽しめない時もあるからこそ、楽しむことができれば、結果がついてくるという意味合いだと思っている」と分析。指揮官の言葉通り、自然体でコートに立った山口は自らの力を出し切って世界一の座をつかみ取った。

 東京五輪とは異なり、大勢の観客の前で頂点に立った山口は「次に向かっていく中で新しい発見があればと思っていた。東京五輪と今回を関連づけるのは難しいが、多少なりとも緊張感ある中で楽しくプレーできたのは収穫です」と振り返った。この1年でさらなる進化を遂げ、新たな境地に足を踏み入れた。