フランス1部パリ・サンジェルマン(PSG)が欧州サッカー連盟(UEFA)を陰で〝支配〟している実態を米紙「ニューヨークタイムズ」が暴露した。

 かねてPSGとUEFAの蜜月はささやかれているが、同紙は改めて両者のズブズブの関係を追及。「欧州サッカー最高峰のルールは誰のためのものなのか?」と題して特集を組んだ。

 まず同紙はPSGのナスル・アルケライフィ会長が持つ絶大な権力を指摘。「欧州で最も裕福なクラブの1つであるPSG会長に加えて、UEFAの最も重要なパートナーであるカタールを拠点とする企業beINメディアグループの会長でもある」と紹介した。

 そしてUEFAによるアルケライフィ会長への〝忖度〟の例をピックアップ。今年3月に欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦でレアル・マドリード(スペイン)に敗れた試合後に、判定に激怒した同会長が審判控室に乱入。その様子を携帯電話で撮影していたスタッフに対して「お前を殺してやる!」などと暴言を吐き、殴りかかろうとしたと一斉に報じられ大騒動に発展した。

 UEFAはひとまず調査に乗り出すことを発表したが、調査が遅れた揚げ句になんと処分を受けたのは同行したレオナルドSDのみ。しかも出場停止を下された同SDは退団が発表された後でクラブへのダメージは皆無だった。「UEFAは調査の詳細やアルケライフィが処罰を免れた理由を明らかにすることを拒否した」と同紙は糾弾した。

 また、2018年にPSGは財務管理規則に違反したことが判明し、CLから最低でも1年除外されるはずだったが、ここでも〝見えざる手〟が。UEFAにより調査チームが立ち上げられたが、まともに説明がなされないまま厳罰を免れた。

 こうした実態について、国際サッカー連盟(FIFA)でガバナンス部門や審査部門の委員長を務めたミゲル・マドゥーロ氏は「UEFAの行動は、PSGのルールの下で運営されているという疑惑を生み出している」と批判。さらに「PSGの金融コンプライアンス訴訟で調査を行い、その裁定を下した委員会のメンバーのほとんどは辞任するか、更迭されている」と告発した。そしてUEFAはアルケライフィ会長の言いなりになっているとして「UEFAが彼と深刻な金銭的利害関係を持っているという事実は、彼に過度の影響力を与えている」と警鐘を鳴らした。

 もはや欧州サッカー界はPSGに牛耳られていると言っても過言ではないようだ。