〝気持ちの余裕〟が勝敗を分けた――。バドミントンの世界選手権6日目(27日、東京体育館)、女子シングルス準決勝が行われ、世界ランキング1位の山口茜(25=再春館製薬所)が、安洗塋(アン・セヨン、韓国)を21―19、21―12で下し、2連覇に王手をかけた。

 勢いのある20歳の天才少女を相手にしても、山口はあくまで冷静だった。第1ゲームは、あえて戦いにくい風向きのエンドを選択。「1ゲーム目はとられてもいいという気持ち。相手選手は昨日長いゲームで疲労もあったと思うので、とってもとられてもラリーや展開が勝負だと思っていた」。相手としては何としても第1ゲームをとりたいところ。我慢比べを続ける中で、19―19から2連続得点を奪い、流れを引き寄せた。

 一度波に乗ったら、あとは自分のプレーをするだけ。「すごく気持ちを前向きにやれた」と、第2ゲームは序盤から有利に試合を進めた。「我慢するだけのラリーじゃなくて、積極的にやりたいと思っていたの。タッチを早くすることを全体に今日の試合では有効だった」。最後まで計算し尽くした大人のバドミントンを披露した。

 自国開催の大舞台で、きっちり決勝にコマを進めた。相手は東京五輪金メダルの陳雨菲(24=中国)。直近は3連勝中だが「日本で世界選手権をやることは、ほとんどないと思う。その中で最大限の試合数をできるのはうれしい。これまでの対戦成績は考えずに、結果も気にせずに楽しくやりたい」と自然体を強調した。泣いても笑っても残りは1試合。日本のファンの前で、自らの矜持を示す。