ソフトバンクのブルペンを支える嘉弥真新也投手(32)は今季ここまで43試合に登板して、防御率0・86と圧巻の数字を残している。失点(自責点)は交流戦中に喫したわずか2。ヤクルト・村上に浴びた被弾が最後の失点だ。パ・リーグ相手には〝無双状態〟を継続して、現在「20試合連続」無失点中。そんな嘉弥真の好調の裏には、新戦力のアシストがあった――。

 嘉弥真は変則左腕の強みを発揮して「左の強打者」を封じるスペシャリストとして重宝されてきた。昨年まで5年連続で50試合以上に登板。ただ、昨季は安定感を欠いて防御率4・71と低迷。今季は好調時のバロメーターである踏み出し足のつま先着地を徹底するフォームで、本来の投球を取り戻した。

 さらに、7月に加入した秋吉亮投手(33)の存在が大きかったという。「スライダーが良くなっている。秋吉さんが来て、いろいろと話を聞く機会があった。手首の使い方だったり、そこを意識してから感覚が良くなった」。最大の「武器」であるスライダーに磨きをかけ、自信を深めたことで勢いに拍車をかけている。

 長いシーズンも残り23試合。ソフトバンク、西武、オリックスが「ゲーム差なし」でひしめく大混戦だ。当然ながら疲労蓄積はある。嘉弥真はワンポイントリリーフでの起用が多く、イニング数はここまで「21回」と登板数に比べて少ないが、その役割ゆえに見えない苦労が多い。「裏では人の倍は(肩を)つくっている」。左打者が多い対戦相手ほど器用ポイントは増える。肩をつくっても戦況に応じて出番が流れることの方がむしろ多い。心身ともにタフでなければ務まらない役回りで、実績を含めて唯一無二の存在となっている。

 勝負の9月、登板過多は覚悟の上だ。「5年くらいやってますんで。うまくやります。やるしかないんで」。観衆の前に立つ時間は少ないかもしれないが、その働きは絶大で鷹のV奪回に欠かせない。