またしても育成出身の新星が現れた。ソフトバンク・渡辺陸捕手(21)が28日の広島戦(ペイペイ)に「9番・捕手」でプロ初のスタメン出場。2打席連続アーチを含む3安打5打点の活躍でチームを勝利に導いた。守っても先発・大関を7回1失点とリードした。

 2回、一死一、二塁から森下のツーシームを逆方向に弾き返した。打球は左中間ホームランテラスへの1号3ラン。初安打が豪快な初本塁打となった。さらに大暴れは止まらない。4回の第2打席にも148キロ直球を左翼テラス席に運んだ。

 身長187センチの大型捕手で打力が売り。昨季、育成選手から支配下に昇格した。初一軍に送り出した小久保二軍監督は最大の成長ポイントについて「一番は捕手を辞めたいと言っていた子が、捕手に楽しみを見いだしていることだと思う。本気で甲斐拓也の後、挑戦権を得るという思いでやっているでしょうから。何より投手と〝会話〟できるようになったのが一番大きいのではないか」と挙げる。

 2年目の夏ごろ、腰痛で捕手を諦めかけた時期もあった。それでも岩井スカウトから「お前を捕手で獲ったんだから」と声をかけられ踏みとどまった。今季はファームで城島健司球団会長付特別アドバイザーの薫陶を受けて、レジェンド捕手から扇の要としての楽しみを学んだ。

「城島のアドバイスでもあって、投手と意思疎通を図ったうえで、そのゲームを支配するというイメージを持ててきているのもいいところだと思う。もちろん、まだまだですけど。本人も手応えはあると思う」(小久保二軍監督)。

 チームには日本代表捕手でもある甲斐がいる。その限りなく高い壁に挑んでいくことになる。渡辺陸は「二軍の公式戦が開幕してから、ずっとその気持ちでやってきている。今日もスタメンで使ってもらい、より一層そういう気持ちは強いです」。持ち前の打撃だけではなく、守備面でも着実な成長をして、猛アピールしていくつもりだ。