古巣に最高の〝恩返し〟をした。ソフトバンク・藤井皓哉投手(25)が27日の広島戦(ペイペイ)に登板。リードした展開で8、9回の2イニングを任され、無安打無失点に抑えた。4三振を奪う快投だった。
「いつも通り、自分ができることをするという気持ちでした。少し相手を意識してしまい、コントロールの面で満足のいく投球はできませんでしたが、しっかり修正してまた明日から頑張ります」。
今季ここまで17試合に登板し、4勝、防御率0・48と堂々の投球を見せている。18回2/3を投げて28三振を奪っている。
2014年のドラフト4位で広島に入団。2018年には一軍でプロ初勝利も飾った。当時もイニング数を上回る高い奪三振率を誇っていたが、その一方でメンタル面が課題だった。結果を求めるあまりに、抑えなければならないという思いが裏目となっていた。2020年に戦力外となった。
そこから、どのような経緯で〝変身〟できたのか――。藤井は「広島の時は結果にこだわりすぎていた。もう一度野球の楽しさ、投げる喜びを知れたのが大きかった」と振り返る。昨季、在籍した独立リーグ・高知の経験が契機だった。
独立リーグ・高知の指揮を執るのはホークスOBでもある吉田豊彦監督。「メンタル面の成長が一番だと思います。結果を残さないといけないという焦りからバランスを崩し、限られた球種での勝負になったり、コースを狙いすぎたりで投球の幅が狭くなり苦しんでいました。そこを自らが強い意志で乗り越えてくれました」と話す。
広島時代もリリーフだったが、吉田監督は先発を任せた。窮屈な投球から脱却させて、投球の幅を広げさせるためだった。ソフトバンク三軍戦でのノーヒットノーランなど、そこでの結果が自信になり、持っていたポテンシャルが開花することになった。育成選手でのソフトバンク入りを勝ち取った。
吉田監督はNPBに再挑戦することになった藤井に対して「苦しくなったら、ここでやってきたことを思い出せよ」「自分を信じてやれよ」とエールを送ったという。
独立リーグでの経験を糧に、苦労人の右腕が快進撃を続けている。












