最悪の事態は免れたが…。巨人は6日のヤクルト戦(東京ドーム)で投手陣が総崩れとなり、2―13の大敗を喫した。かろうじて首位には立つが、チーム状況は悪化の一途をたどっている。「1番・二塁」に定着していた吉川尚輝内野手(27)が「肩甲骨の挫傷」で出場選手登録を抹消された。今回は死球直撃のアクシデントながら、毎年のように故障に見舞われる背番号2には〝特殊能力〟の習得も求められている。


 序盤の大量失点が重すぎた。先発した3年目の堀田が相手主砲・村上にグラウンドスラムを浴びるなど、3回途中5失点でプロ最短KO。リリーフ陣も次々とエジキとなり、ともに今季ワーストとなる18安打、13失点を喫した。

 試合後の原辰徳監督(63)は「先発ピッチャーの重さというものを感じてもらわないといけませんね。われわれは子どもだと思ってマウンドに上げているわけじゃない。プロでローテーションを守るというのは厳しい、大変な世界なんだということを思うように、われわれも教育をせなイカンね」とおかんむり。堀田に先発投手としての責任を厳しく追及した。

 5月に入って1勝4敗。投手陣の勢いに陰りも見えてきたが、主力勢が故障禍に見舞われている。菅野と坂本に続き、4日に死球を受けた吉川もこの日抹消された。指揮官は実績十分の坂本らに「頼らないチームづくり」を目指してきたが、2人同時の離脱は誤算だろう。さらに、吉川はチームトップの打率3割4分1厘をマークし、懸案だった1番打者に定着。骨折ではなかったことは不幸中の幸いだが、二塁守備でも抜群の安定感を誇っていた。

 今回や過去にも死球による避けられない故障もあった一方で、好調時に限って腰痛を発症するなど不安が付きまとってきたのも事実。その要因について、球団関係者は「彼の身体能力の高さは球界でもトップクラス。その能力の高さに、体が追いつかずに故障したケースもある。極端に言えば『体のどこかがちょっと痛いな』ぐらいが動きがセーブされてちょうどいい。体調がいいと能力が体を超えてしまう。難しい話だけど、一年間フルに活躍してもらうためにも、自分でブレーキをかける力をつけてほしい」と〝注文〟をつけていた。要するに、能力が高すぎるがゆえに自己制御が必要というわけだ。

 抹消に踏み切った指揮官は「早めにそうしたほうが、早めに帰ってきてくれるんではないかな」と早期復帰を願った。類まれな才能に恵まれながら、規定打席に到達したのは2020年のみ。不動の地位を築くには、さらなるスキルアップが不可欠となりそうだ。