執念で聖地1勝をつかみ取った。第94回選抜高校野球大会が19日、甲子園で開幕。大会1日目第2試合は和歌山東が倉敷工(岡山)を延長11回の激闘の末に8―2で下し、春夏通じて初となる記念すべき甲子園白星を飾った。

 1―1で迎えた延長11回無死一、二塁から2番・森岡(3年)が右前適時打で勝ち越し。後続にも4本の適時打が飛び出すなど、この回一挙7得点を奪って一気に突き放した。試合後の米原寿秀監督(47)は「あれが、ウチらしい攻撃かなと思う」と振り返り「自分たちがやっている野球ができた」とも述べた。

 エースの変則右腕・麻田(3年)が先発マウンドに立ち、7回1/3まで2安打1失点と好投。それ以降も二塁→遊撃→投手→右翼→投手と実に5度のポジションチェンジを繰り返しながらフルイニング出場を続けた。左翼だけでなく二塁と遊撃にも入った内野守備についてエースは「練習試合はあるが、公式戦では1回もない」と打ち明け、ぶっつけ本番だったものの「どこを守っても絶対にさばいてやろうという気持ちだった」と力を込めた。チームがモットーとする「魂の野球」を貫き切ったことも強調した。

「米原マジック」とも言えるベンチワークに関し、指揮官は「ウチは何でもありですから。思い切ったことをやっている」と淡々とコメントした。

 米原監督自身は2007年に和歌山商の監督としてチームをセンバツへ導いた実績も持つ。10年から和歌山東を指導するようになったが、赴任当時は弱小校で苦難の連続だったという。それでも徹底した指導法が実を結び、今は群雄割拠の近畿地区で一目置かれる存在へと急成長を遂げた。

 昨夏の甲子園で日本一に輝いた智弁和歌山を昨秋の県大会準決勝で撃破するなど実力は折り紙付き。さらに昨秋の近畿大会では強豪校がひしめく中で準優勝を果たし、創部12年目ながらもメキメキと頭角を現している。

 和歌山東の指導者として初の甲子園勝利を手にした米原監督はあらためて「新しい歴史の1ページを刻んでくれた。本当にすごいことだし、よくやったと思う」。選手を称えながらも、その後は「そこまで喜び爆発ではない。目標は2勝ということを掲げているので」と再び次戦に向けて気持ちを切り替えていた。