巨人の助っ人補強が大転換だ。パイレーツなどで活躍したグレゴリー・ポランコ外野手(30)が9日からチームに合流。さっそく防球ネットを破壊する〝離れ業〟をやってのけ、周囲のド肝を抜いた。昨オフの巨人はFA戦線に参入せず、新外国人4選手を獲得。助っ人たちが今季の大きな鍵を握るが、条件面では複数年契約を凍結。4人とも単年契約での加入となった背景には2つの理由があるという。

 メジャー通算96発男のパワーがいきなりさく裂した。ジャイアンツ球場の室内練習場で打撃練習を始めると、すぐさま異変が起きた。弾丸ライナーが約4メートル先に置かれた防球ネットを突き破り、ティーを上げていた後藤三軍打撃コーチも「破れた!」と口あんぐりしたほどだった。

 ポランコは「自分でもビックリしました」と笑みを浮かべたが、今回が初めてではなかったようだ。「練習では今日みたいに2、3回くらいネットを破ったことがある」そうで「場外の打球を打って外に駐車してあった車を壊したことがあります」というから持ち前のパワーに疑いの余地はなさそうだ。

 懸案の5番打者を期待されるポランコのほか、巨人は8日から始動した外野手のウォーカー、先発投手候補としてシューメーカーとアンドリースの計4人を獲得した。助っ人補強は毎年のことではあるが、例年と異なるのは「全員、1年契約」(球団関係者)との点。複数年契約であれば、それだけ獲得交渉もまとめやすくなるが、あえて封印した理由は二つあるという。

 まずは〝手抜き防止〟だ。「やはり複数年というのは難しい面がある。もちろん、外国人選手も結果を残せば(翌年に)契約延長ということはある。(日本選手の)FAでもそうだが、複数年にすることで、どうしても緩みみたいなものが出てしまうケースもある」(同)。契約期間中の選手はよほどのことがない限り、オフに突然クビを宣告されることはない。そうした緊張感の欠如がパフォーマンスの低下を招くこともある。翌年の保証がない単年契約にすることで、実力を最大限に発揮してもらいたい狙いがうかがえる。

 もう一つの理由について、別の球団スタッフは「若手の成長にフタをしたくない。複数年で外国人選手を取ってしまうと、芽を出してきた若手たちがどうしてもつっかえてしまうことがある。今年は特に若手を育てることが重要な年なので」と明かした。チームの本当のウイークポイントはどこなのか。一年を終えた段階で若手の成長ぶりを総ざらいし、毎オフごとに適材適所の助っ人補強に切り替えていく方針だという。

 もちろん、どんなメジャーの大物でも翌年の保証はない。「(バットの)芯に当てて、強い打球を打つことを心がけている。自分のベストを尽くし続ければ、結果はついてくる」と自信をみなぎらせたポランコは、どんな活躍を見せるか――。