牙城崩壊か。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、国際スケート連盟(ISU)は1日にフィギュアスケート世界選手権(23日開幕、フランス・モンペリエ)をはじめとする国際大会にロシア、ベラルーシの選手を除外する決定を下した。これによってフィギュア大国のロシアが最大のピンチを迎えている。

 今回の決断は国際オリンピック委員会(IOC)が国際競技連盟に向けて勧告した方針に従ったもの。ISUは「私たちの思いはウクライナすべての人々と国とともにある」と表明し、毅然とした態度を示した。

 これに対してロシア側は猛反発。ロシアメディア「スポーツ・エクスプレス」によると、同国フィギュア界の〝女帝〟として君臨するタチアナ・タラソワ氏は「我々の選手は世界選手権を含めてあらゆるフィギュア競技会の〝宝石〟です。ロシア人なしの世界選手権は価値が失われるのは間違いない」と断言した。

 いずれにせよロシア勢は最高峰の舞台から姿を消すこととなったが、痛手はこれだけでは済まない。世界選手権は翌年の大会における自国の「枠取り」という大事なミッションがあるからだ。今回ロシアは出場者ゼロのため、規定通りなら来年は各種目(男女シングル、ペア、アイスダンス)とも「1枠」となる。

 特に女子シングルは北京五輪金メダルのアンナ・シェルバコワ、銀メダルのアレクサンドラ・トルソワ、4位のカミラ・ワリエワの〝最強トリオ〟をはじめ、来年シニアデビューする有望株がめじろ押し。除外措置が解除されていたとしても、たった1人しか出られないことになる。昨年の世界選手権では出場枠は「3」だった。

 ロシアのフィギュア界にとってもウクライナ侵攻の〝代償〟は計り知れないものとなりそうだ。