未来の大砲が連日の大暴れだ。ソフトバンク宮崎春季キャンプの12日、主力中心のA組に抜擢されている高卒2年目・井上朋也内野手(19)が紅白戦で「世界の王」をうならせる一発を放った。

 紅組の「8番・三塁」で出場。6回に左腕・田浦から左翼席へ痛烈な打球の2ランを叩き込んだ。「ちょっとドライブぎみでしたけど、ギリギリ入ってくれました」と謙遜すると「ボールの見え方が良くない」と満足することなく、意識の高さをうかがわせた。前日は2長打4打点。「世代交代」がテーマのチームにあって、希望の光となっている。

 これには藤本監督も「アイツいいね! 結果ですから。結果出してアピールしてるわけだから」と声を弾ませ「サードでリチャードとか松田とかと、その競争の一人として考えていいのかなと思います」と評価が急上昇していることを明かした。

 昨年から王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(81)が熱血指導してきた逸材だ。二軍戦やファーム視察時から気にかけてきた存在で昨秋キャンプでは、右手を強く使いすぎる余りこねてしまう悪癖を矯正。井上本人もオフに、手のひらではなく指でバットを握る感覚を染み込ませてきた。

 ネット越しに井上の一発を見届けた王会長は満面の笑みで拍手すると、最後はイスから立ち上がり何度もうなずきながらダイヤモンドを駆ける19歳に熱い視線を送っていた。