野村克也さんとの貴重な思い出を明かした。11日に行われた「野村克也をしのぶ会」に出席した阪神・矢野燿大監督(53)は「現役20年もやれたのも野村監督のおかげ」と、いち捕手として、改めて恩師の偉大さに思いを馳せた。

 出会いは、阪神移籍後の1999年。野村さんが阪神の監督に就任したのが縁で「僕はいつも近くにいて、名将のベンチでの一言一句を、夢中で聞き入った」という。

 当時は正捕手の座をつかみつつあったが、指揮官からの〝ぼやき節〟は常に続いた。「あえて褒めないことをされていた。一回だけ、長崎の試合でちょっと褒められたことがあった。その一回がすごく印象に残っている。当時、タイガースの投手陣、球の速い投手がなかなかいなくて。『だからこそ、お前は成長できるんだ。古田もそうだった』と。『ヤクルトでもいいピッチャー球の速いピッチャーが少なかった。だからお前は(他チームの捕手よりも)考えることができて成長につながるんだ。だから頑張るんだぞ』って。それは本当に一生忘れないです」と、感謝の念を口にした。

 18年オフに自身が阪神の一軍監督就任が決まった際には、野村さんのもとへ挨拶に向かい「野球に学び、野球に楽しむ」としたためられた色紙を贈られた。

「準備とか、頭を使うとか、そういう部分。うまいだけ人が勝つっていうだけじゃないのは、僕らも受け継いでいきたい」。指揮官として、野村さんの教えを次代の選手へとさらに浸透させていくつもりだ。