第96回選抜高校野球大会第2日第1試合で豊川(愛知)の大砲・モイセエフ・ニキータ(3年)から大会1号が飛び出した。第3打席まで阿南光(徳島)の右腕・吉岡に抑えられていたが、1―5で迎えた8回の第4打席、一死一塁からフォークを右翼ポール際にライナーの打球を突き刺した。

 目の覚めるようなド迫力2ランは今大会から導入された〝新基準バット1号〟。プロ注目の規格外パワーを見せつけたモイセエフは「3打席で捉えることができなかったのでつなぐ意識で入った。打った瞬間は…あまり覚えていない。あそこで1本出たのが大きくチームに勢いをつけた。あの時は絶対勝てると思った。大会1号を打てたことはよかったが、それ以外は捉えることができなかった」と淡々と口にした。

 チームは吉岡を切り崩せないまま、4―11と大敗し「まっすぐもいいし、落ちる球もいい。変化球でストライクを取るので配球を読んだり、球を絞るのは難しかった」と悔しさをにじませた。

 5打数1安打2打点、3三振。最終回は二死満塁で打席が回り、外のフォークを空振り三振で無念のサイレンを聞いた。高校通算16本塁打目を聖地に刻んだ主砲は「まだまだ足らないことが多い。ここから夏まで4か月ほどあるのでレベルアップしてまた戻ってきたい」と帰還を誓った。