巨人の阿部慎之助監督(44)が宮崎春季キャンプ初日となった1日、〝謎ムーブ〟を見せた。

 あいにくの雨で木の花ドームでの室内練習となったが、ブルペンでは指揮官にアピールしようと15人が腕を振った。テレビカメラがズラリと並ぶなか、指揮官は高橋礼、泉、ケラー、馬場、ドラ2・森田、ドラ5・又木ら新戦力の投球に熱視線を送った。

 だが最後にドラフト1位・西舘勇陽投手(21=中大)がブルペンに入ると指揮官に変化が。ほとんど視線は送らないどころか、右腕に背を向け野手のノックを見守った。

 さらに西舘が投げ終わる前にブルペンから姿を消した。背番号83は「(西舘が)かわいそうだから。5球ぐらい見てどこかに逃げた」とその意図を明かした。

 新指揮官の春季キャンプ初日に自らクジを引き当てた中大後輩右腕が初ブルペン。どうしても西舘に注目が集まってしまう状況に右腕には事前に「飛ばさないように」とブレーキをかけると、「異様な雰囲気で投げてオレが後ろで仁王立ちしていたらムチャするだろうし」と見たい気持ちを押し殺したという。

 もちろん見るまでもなく西舘の評価は高い。「かっこいいね。スーパークイック」と独特の投球フォームに目を細めると、「先発でいく。大きく大谷くんみたいになってほしい」と先発として育てることを明言した。

 初日に27球を投げた西舘は「少しずつ慣れてきたのはありますが、いろいろOBの方もいらっしゃいますし。そこは自分のペースで、自分のやることに集中してやっていきたい」と力を込めた。阿部監督が細やかな気配りで黄金ルーキーを育て上げる。