サッカーのアジアチャンピオンズリーグ(ACL)準決勝が13日、カタール・ドーハで行われ、東地区のJ1神戸は蔚山(韓国)に1―2で逆転負けし、初の決勝進出はならなかった。決勝は19日、西地区代表ペルセポリス(イラン)と蔚山で争われる。

 準々決勝までチームを引っ張ってきたMFアンドレス・イニエスタ(36)が右太ももを痛めてベンチ外。前半はスコアレスで折り返し、後半は、神戸は前線からの厳しい守備でペースを握った。7分、右CKのチャンスに、イニエスタの代役で出場したMF安井拓也(22)のキックは密集のゴール前を避け、ペナルティーエリア右のスペースにグラウンダーのパスを出すと、これに走り込んだMF山口蛍(30)が右足一閃。地を這うシュートはゴール左に突き刺さり、待望の先制点を奪った。

 これで勢いを増した神戸は同30分にもビッグチャンスをつくる。ハーフウエーライン付近でパスカットすると、ドリブルでボールを運んだFWドウグラス(32)が右に展開。その折り返しを逆サイドから走り込んだFW佐々木大樹(21)が押し込んでリードを2点に広げたかに思われた。

 だが、準決勝から導入されているビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の検証で、パスカットした際の安井のプレーがファウルと見なされてノーゴール。映像では安井の足が軽く触れている程度だっただけに、疑問が残る判定となった。

 疑惑は連鎖するのか、37分には右サイドからの折り返しを中央のMFユン・ビッカラムがシュート。これがFWヨハンソンに当たってゴールネットを揺らされたが、副審は右サイドにボールが出た際のプレーをオフサイドとしてノーゴールのジャッジを下した。

 しかし、今度はVAR検証の結果、ゴールが認められてしまい、まさかの同点。その後、6分のアディショナルタイム終了間際にFWイ・グノのクロスをFWネグランに頭で合わせられたが、これは左ポストに救われ、2試合連続の延長戦に突入した。

 延長でも神戸の劣勢は続いたが、4分にはユンのシュートをGK前川が右手一本ではじくスーパーセーブ。13分にもヨハンソンのヘディングシュートを今度は左手一本で止めてピンチを逃れた。

 同後半4分にはFKからドウグラスが頭で合わせたが、蔚山のGKに阻まれた。そして13分、ここまで好セーブを続けてきた前川がエリア左に流れたボールをキャッチできず、競り合ったネグランを倒してしまいPKを献上。これを決められ、万事休す。初の決勝進出の夢は疑惑の判定とともに消えた。