昨季のイングランド・プレミアリーグ王者リバプールが早くも正念場を迎えている。
今季はここまで8試合を終えて5勝2分け1敗の勝ち点17で、首位のレスターとは勝ち点1差の3位。しかし、ここまでの16失点はリーグワースト3位で、10月4日のアストンビラ戦では、約57年ぶりとなる7失点を喫したほどだ。かろうじてリーグ3位タイの得点(18点)でカバーしているだけで、安定感は見られない。
追い打ちをかけるように、守備の要のDFファージル・ファンダイク(29)が右膝靱帯損傷の大ケガを負い、長期離脱。そこから負の連鎖が始まり、代役を務めていたブラジル代表MFファビーニョ(27)、イングランド代表DFジョー・ゴメス(23)、右サイドバックを務めるMFトレント・アレクサンダーアーノルド(22)も負傷した。
さらに、不動の左サイドバックで、今月12日の欧州選手権プレーオフのセルビア戦に出場したDFアンドリュー・ロバートソン(26)も、太ももを痛めて代表を離脱。中盤の要のイングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソン(30)も、15日の欧州ネーションズリーグ(NL)ベルギー戦で足を痛めた。
極め付きは絶対エースのFWモハメド・サラー(28)が、エジプト代表に招集された際の検査で新型コロナウイルス陽性と診断された。18日の再検査でも陽性のままで、エジプト国内から移動ができない状況だ。
〝野戦病院〟と化したリバプールは22日(日本時間23日)に首位レスターとの大一番が控えるが、最大9人の起用が不可能な状況。さらにブラジル代表FWロベルト・フィルミノ(29)はW杯南米予選のウルグアイ遠征帰りで、セネガル代表FWサディオ・マネ(28)もアフリカネーションズ杯予選を戦って長距離移動を挟んでおり、ともに万全の状態で出られる保障はない。
ユルゲン・クロップ監督(53)は最終ラインにベテランMFジェームズ・ミルナー(34)の起用を模索し、前線も好調のポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタ(23)の起用を軸に検討している。
フィルミノ、マネの状態次第では、オーストリアでの代表戦からの移動距離が短い日本代表MF南野拓実(25)の抜てきもありそうだ。英国のスポーツ総合サイト「GIVE ME SPORT」は南野について「今こそ彼が輝くときだ」と期待している。日本代表の10番はチームのピンチを救うことができるか。