【ポルトガル・リスボン23日(日本時間24日)発】ドイツの名門が史上初の完全優勝だ。欧州チャンピオンズリーグ(CL)決勝はバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)が1―0でパリ・サンジェルマン(フランス)に勝利し、7季ぶり6度目の優勝を飾った。ドイツリーグ、ドイツカップに続く、タイトルで3冠を達成。しかもCL1次リーグから11連勝と全勝でのビッグイヤー獲得は史上初の快挙となった。

 新型コロナウイルス禍で大揺れだったシーズンを制したのはドイツ王者のBミュンヘンだった。

 0―0で迎えた後半14分、右サイドから攻め込むと、MFヨシュア・キミヒからのクロスをエースFWロベルト・レバンドフスキがダミーとなり、その裏に走り込んだのはFWキングスレイ・コマン(24)。古巣との決勝戦でスタメンに抜てきされた“伏兵”がヘディングで押し込んだ。その後はパリSGの猛攻を防ぎ、2012―13年シーズン以来、6度目のビッグイヤーをつかんだ。

 欧州CLでは1次リーグから負けなしの11連勝。準々決勝ではバルセロナ(スペイン)を8―2で下すなど、15ゴールを挙げて得点王になったレバンドフスキをはじめ計43ゴールと圧倒的な攻撃力を見せた。コロナ禍の影響で試合数の違いこそあるものの、レアル・マドリード(スペイン)も果たせなかった史上初の全勝優勝となった。

 ドイツ代表GKマヌエル・ノイアー(34)は「信じられない夜になった。僕たちはこの勝利にふさわしかった。夢が実現したよ」とし、昨年11月に就任したばかりのハンスディーター・フリック監督(55)は「この10か月でチームが達成したことはセンセーショナルだ」と歓喜した。

 Bミュンヘンは昨季限りでフランス代表FWフランク・リベリ(37)とオランダ代表FWアリエン・ロッベン(36)がチームを去ったが、両エース不在でも進化していることを証明。来季もBミュンヘンが欧州サッカーをリードしていく。