Jリーグの再開にも影響か。J1名古屋は元日本代表FW金崎夢生(31)に新型コロナウイルスの陽性反応が出たことを発表した。会見した小西工己社長(60)は「万全の体制で対策してきたつもりだったが、このような状況になった。トップとして責任を感じる」とした上で、チームを活動停止にした。

 J1各クラブは7月4日のリーグ再開に向けて練習を開始する中、名古屋も1日から全体練習を実施した。金崎はグループ練習を行っていた5月29日に38・5度の発熱など異変を訴えた。30、31日のオフを挟んで今月1日に受診し、2日にPCR検査で陽性と診断された。

 小西社長によると、金崎は5月14~15日に自家用車で神奈川県内の親類宅を訪問していた。現在は平熱に戻っているものの、愛知県内の病院に入院し、回復を待っているという。クラブは緊急事態宣言下の帰省や親族、自宅への移動は許可していた。また、チームメートで体調を崩している選手はいないが、全員が自宅待機となった。

 今後、金崎と濃厚接触した選手やスタッフへの感染が懸念されるとともに、再始動に動きだしたリーグにも影響は及びそうだ。5月16日から再開したドイツリーグの2部ドレスデンでは同4日に1人、同9日に2人と、選手に相次いで陽性者が出たことで再開予定だった試合は延期されている。

 Jリーグの再開は約1か月後。すでにチームは活動停止で濃厚接触者は2週間の隔離となり、他クラブに比べて調整不足になるのは免れない。ただ、Jリーグ側は感染者が出ることを想定しており、村井満チェアマン(60)は「競技の公平性をのみ込んでも、試合を続ける」とコメントしていたように、リーグ再開を優先する方針だ。

 これまでJ1神戸の元日本代表DF酒井高徳(29)ら5人の感染が公表されている。6人目の感染者を出した小西社長は「日程への影響はないと思っています。リーグ全体は前に進んでいると認識している」と話したが、名古屋はもちろん、他クラブからも新たな感染者が出る事態となれば再開を懸念、疑問視する声が高まるのは避けられない。