女子プロレス「スターダム」の〝闇の黒虎〟スターライト・キッドが、ワンダー王者・上谷沙弥(25)の豹変ぶりを歓迎した。

 9日の東京・立川ステージガーデン大会での同王座挑戦に向け、キッドは挑発的なメッセージを送り続けてきた。ところが王者は一向に反応することなく、むしろキッド戦後に元WWE・KAIRIとの防衛戦を見据えるなど〝先走り体質〟をあらわにしていた。

 黒虎は「挑戦者が自分の持つタイトル戦に向けて何か仕掛けてきたら、普通は気になって反応するはずなのに。見てんのか見てないのか知らんけど、SNSでもコメントでも何も触れてこないから、『なんだ? このチャンピオンは!』ってイラっとした」と語る。

 意図的に無視し、イラつかせる作戦なら上谷が一枚上手ということになるが、どうも違うようだ。天然な性格だけに、特に意識はしていなかったのだろう…。

 だが、そんな王者の意識が変わったのが2日の大阪大会だ。前哨戦で激しくやり合った試合後、キッドがワンダー王座戦用に開発した新技「黒虎脚殺」(変型ストレッチマフラー)、別名「先走るな上谷」をお見舞いしたところ、上谷の目を向けることに成功した。

 しかも「私は『先走るよ上谷』を考えてきているので」と、対抗するかのように新技の投入をにおわせてきた。

 してやったりのキッドは「フフフ。情報漏洩といい、アホで不思議なやつだな~と思っていたけど、そうくるとは思ってなかったら面白い方向に転がるもんだ」としつつ「『先走るよ上谷』がどんな技なのか未知数だけど、私の『先走るな上谷』とチャンピオンの『先走るよ上谷』が勝敗を左右する大事な部分になってきそうだ」と分析する。

 周囲からすれば、もはや何の論争か分からなくなってきたが、とにかく決戦が盛り上がってきたことは事実のようだ。挑戦者は「まあ、私は『黒虎脚殺』だけじゃないし、その場に合わせて対応できる。隙だらけの不死鳥は、このSLKが葬ってグッバイだ」と決意を改め決戦を心待ちにした。