女子プロレス「スターダム」春の祭典「シンデレラ・トーナメント」は波乱の幕開けとなった。

 1回戦(3日、東京・立川ガーデンステージ)で前ワールド王者・林下詩美(23)と前ワンダー王者・中野たむ、注目の一騎打ちが実現。戦前は化身のぶりっ子女子「中野ぅたみ」が会見に登場したが、この日は詩美本人の登場となった。

 さっそく中野が「お前、林下だろ? 中野ぅたみを出せ!」と詰め寄るが、詩美は「中野ぅたみはPPVで観戦中だよ!」と返答。怒りの中野が襲いかかり試合がスタートした。

 ともに王者時代に対戦を望みながら実現しなかった一戦は、激しい攻防が続いた。3月の両国国技館2連戦で右肩と首を痛めた詩美に対し、中野は投げっぱなしジャーマン、タイガードライバー、タイガースープレックスで波状攻撃を仕掛ける。

 一瞬だけ中野ぅたみが降臨する場面もあった詩美だが、首を押さえて苦しい展開が続く。意地のトーチャーラックボムで逆転を狙うも3カウントは奪えない。結局、両者決め手を欠いたまま10分時間切れドローで終了。規定により両者失格となり、1回戦で優勝候補2人の脱落が決まった。

 詩美は「中野ぅたみに(優勝者に贈られる)ドレス着せてやりたかった。気持ちが強すぎて(中野ぅたみが)憑依(ひょうい)しちゃったよ」としながら「たむとはもう一回やりたいね」と再戦を希望した。