自信を確信に変えて飛躍をつかんだ――。女子プロレス「スターダム」26日の両国国技館で、ワンダー王者の上谷沙弥(25)がパートナーでもある林下詩美を下してV3を達成した。

 上谷は20年2月、詩美の所持していたフューチャー王座に挑戦するも敗北。続いて21年3月の日本武道館大会では詩美のワールド王座に挑戦し、敗れた。だが、自身より1年早くデビューし同じ「クイーンズ・クエスト」で活動する詩美は、上谷にとって一番間近で超えなければならない存在だった。

 その詩美との決戦を27分11秒に及ぶ激闘の末、必殺のフェニックススプラッシュで制した上谷は、開口一番「詩美さんから防衛したぞ!」と絶叫。その後、詩美について「ずっと近くで見てきて、超えることができなかった。フューチャーも、去年の武道館も。やっと勝てて、ホントにホントにうれしいです」と感慨深げに話した。

 先輩超えを果たした裏にあったのは、確固たる自信だ。上谷はこう話す。「前と違うのは、やっぱり自分自身の気持ちだと思います。以前は『プロレスラーとしてやっていけるのかな』と常に不安でいっぱいでした。(20年下半期に)ゴッデスを防衛している時期も…。でも、去年の6月にシンデレラトーナメントで優勝して自信のようなものが芽生えて。(21年12月に中野たむに勝って)ワンダーを取って、その自信を確信したんです。それから自分は変われたと思います」

 上谷は意外な発想と恵まれたバネで時に奇想天外な動きも見せ、独自の世界観で防衛を重ねる。今年は大注目の年となりそうだ。