
女子プロレス「スターダム」29日の東京・両国国技館大会で首の負傷から復帰する〝お騒がせ女〟ジュリア(27)が激動の1年を振り返った。ワンダー王者として迎えた2021年は、東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」でベストバウトにノミネートされた3月3日、日本武道館大会の中野たむとの髪切りマッチや、最優秀タッグ賞にノミネートされた朱里とのコンビ「アリカバ」が話題を呼んだが――。
【スターダム・ジュリア お騒がせ女の帰還(3)】
――2021年を振り返って
ジュリア 思ってたのとちょっと違ってしまったな。やっぱり白いベルト(ワンダー王座)を落としてしまったこと。と、1年の3分の1を欠場してしまったこと。注目されるタイトルを獲得したからこそ、勝つにしろ負けるにしろ、会社に恩返ししたかった。ただ、良くも悪くも欠場したことは次につなげることができると思っているから、ネガティブにはならないよ。
――タッグ戦線でも活躍した
ジュリア 朱里と(4月に)ゴッデスを取った。今まではずっとシングルマッチが好きで、シングルプレーヤーとしてどう団体を盛り上げるか考えていたんだけど、タッグのチャンピオンベルトを巻いたからにはシングルに負けないくらい話題にして、しっかり試合を見てもらいたいって考えてた。タッグマッチについて、こんなに考えたのはデビューしてから初めて。
――欠場中も返上することなくゴッデス王座を保持している
ジュリア もともと舞華とひめかから指名される形で私たちが(ベルトを)取ったんだけど、ビッグマッチで赤いベルト(ワールド王座)ではなくゴッデスがメインに選ばれるという、それも一つの話題を呼ぶことができた。でも、話題だけじゃない。タッグマッチは、何か一つ面白みを加えることができればシングルマッチに負けない面白さが出せるはずなんだよ。それを今探し求めてる。
――髪切りマッチは
ジュリア もう遠い昔のことのようだけど、まだ今年の出来事なんだよね…。プロレス大賞のベストバウトにも票が入ったみたいだけど。やる前は賛否がたくさんあった。むしろ「否」の方が圧倒的に多かったな。でも、結果はやって良かったよ。プロレスの面白さの中には、髪を失うように悲劇が含まれてもいい。それを単なる悲劇にせずに、人が見てエンターテインメントだと思えるものにできるんなら。武道館の髪切りは私の坊主が似合ってしまったから、悲壮感のない〝令和の髪切り〟って言われたんだろうな(笑い)。
――丸刈り姿は東スポ1面を飾った。確かに悲壮感はなく似合い過ぎていた
ジュリア これが逆で、たむが坊主になってたら、それはそれでまた面白かったと思うよ。本当に悲惨なリングになったはずだからな。たむの坊主姿、みんなに見せたかったから。髪切りマッチは、やるんだったら私は一生に一度だけと決めていた。簡単にやれるもんじゃないからね。本気で負けたくない相手とやるべきだと思う。ジュリアの大事なその1回の相手に中野たむがふさわしかった。
――では最初で最後の髪切りマッチだったのか
ジュリア レスラー人生で1回こっきりと決めてた髪切りマッチはやってしまったから、次は何をかけてやるかな。たむとはいつかまた、そうやって、すべてをかけて戦う日が来るんじゃないかな。あいつと向き合うときは、簡単な気持ちで向き合いたくない。見合った何かをかけてやりたい。そんな気持ちだね。
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