51歳のGHCヘビー級王者が新たな安住の地を見つけた! 〝野獣〟藤田和之が、プロレスリング・ノアに正式入団することが本紙の取材で分かった。盟友の〝悪魔仮面〟ケンドー・カシンが明かした。藤田は23日の名古屋国際会議場イベントホール大会で王者の中嶋勝彦(33)を破り、GHC王座を初戴冠。方舟の頂点に立った最高のタイミングで入団となる。年齢的に〝終の棲家(ついのすみか)〟となる可能性が高いリングで、今後は所属選手として大暴れする。

 闘病中の〝燃える闘魂〟アントニオ猪木氏(79)のまな弟子で、〝猪木イズム最後の継承者〟と呼ばれる藤田が選んだ道は、対極ともいえるリングだった。カシンは「藤田君はノアに入団します。九分九厘、入団します」と断言。関係者も事実関係を認めた。

 藤田は1989年から全日本学生選手権4連覇、全日本選手権2度の優勝実績を引っ提げ新日本プロレスに入団。闘魂クラブを経て96年11月1日の永田裕志戦でプロレスデビューすると、2000年1月4日の東京ドーム大会を最後に退団し、PRIDE、戦極、IGF、RIZINとプロレスと格闘技の垣根なくさまざまな団体で活躍してきた。

 ノアに初参戦したのは19年9月16日の大阪大会からで、杉浦貴率いる「杉浦軍」の一員として定期参戦。20年3月の無観客試合でGHC王座に初挑戦した際には、当時の王者・潮崎豪と30分を超えるにらみ合いを展開し話題になった。以降はノアを主戦場に活動している。

 カシンが入団を先んじて明かしたのは、盟友ゆえの複雑な思いからのようだ。大げさに身ぶり手ぶりを交え「『なんでだよ』って。船木誠勝の金剛入りに続いて、藤田和之までノアに入ってしまった。ひと言で言うなら『Why?』だ」と語気を強める。

 そして「実は、本人からまだ何も聞いていない。だから藤田君から早く話してきてほしいんです。『いくらで動いたんだ?』って(聞きたい)。とにかくビックリだよ」となぜか不信感まで口にした。

 ともあれ、悪魔仮面には予感めいたものがあった。タイトル戦を前に藤田が「俺こそがノア。ノアが俺だ。俺のノアだ」と繰り返す様子を見て「解説すると、ノアに入団するって意味にも取れるんですよね」と推測していた。実際、それだけ野獣が着々とノアに順応していく様子を感じていたという。

「生き生きと動いているのを見て『ノアに染まってきたな』と思ってたんですよ。正直、誰と試合をしても平均点以上の試合をしていると思います。それを見て『変わったな…』って思いましたね。あんな『しょっぱい。しょっぱい』と言われていた藤田君が、いまや史上初のGHC、IWGP、IGFの〝グランドスラム〟ですから」

 藤田はIWGPヘビー級王座を3度戴冠。12年にはジェロム・レ・バンナを破りIGF王座に輝いた。ここにGHCを加えたものを「グランドスラム」と呼ぶかは定かでないものの、この3タイトルを奪取したのは確かに史上初だ。

 昨年2月には武藤敬司(59)がノアに入団し2年契約を結んだ。くしくも新日本出身の武藤と藤田が同じ団体に所属することになる。

 試合後、本紙の直撃に「ない、ない、ない」と煙幕を張る野獣の横で、悪魔仮面は「俺はあらゆる筋からの情報をもとにしゃべっているから」ときっぱり。24日には一夜明け会見が予定されており、藤田の入団はここで正式発表される見込みだ。野獣の今後にさらなる注目が集まる。