方舟は沈没してしまうのか――。16日のノア仙台大会で〝野獣〟藤田和之(51)がGHCヘビー級王座への挑戦を表明した。V4を達成した王者・中嶋勝彦(33)の前で無言のアピールを行い、2月23日の名古屋国際会議場イベントホール大会での王座戦が決定。言葉少なに意気込む野獣の胸の内を〝悪魔仮面〟ケンドー・カシンが代弁&解説し、なぜかノアマットに警鐘を鳴らした。


 出場予定だった10選手が新型コロナウイルスに感染、あるいは濃厚接触者に認定されたため欠場となった仙台大会でさらなる波乱が起きた。28分40秒に及ぶ激闘の末に中嶋がマサ北宮に勝利すると、花道からゆっくりと藤田が登場。王者に歩み寄り、掲げられたベルトを数分にわたり見つめた。最後に一瞬だけ王者と目を合わせ、満面の笑みでリングを後にした。

 異例の形で挑戦表明を受けた中嶋は「このベルトが欲しいんだろ? やってやるよ」と受諾。その後、藤田は「俺を誰だと思ってるんだ。挑戦してあげるよ。挑戦してほしいんでしょ? なら、してあげるよ」と上から目線で意思を示した。

 さらに「『俺がノアだ』だか『アイ・アム・ノア』だか知らないけど、そんなの俺が全部ぶっ壊してやる。ぜーんぶ壊せばいいんだ」と吐き捨てタクシーに乗り込んだ。

 この日、藤田は第5試合でカシンと8人タッグ戦に出場し、キング・タニーを強烈なパワーボムで沈めた。だが、悪魔仮面は試合直後に先に会場を出ており、藤田の行動を知るや「えっ? ホントに? なんでそんなことを…。暴走ですよ」と大げさに驚いてから、盟友の胸中を代弁した。

「藤田さんは本能的に何かを破壊しようとしますから。でも、今回は少し違う。破壊だけじゃない。勝って『藤田イコールノア』になるつもりなんでしょう。そして次の新日本プロレスとの対抗戦ではノア代表として戦い、勝って『藤田イコールプロレス』になるんだと思います。まあ、新日本に藤田さんを上げる度量があればですけど…」

 やや話を脱線させつつ説明し、一方で「九分九厘、藤田さんが勝つと思います。ただ、『藤田イコールノア』になることはノアにとって非常に危険です」と警告する。

「今まで幾度もの経営危機を乗り越えてきたノアですら『藤田イコールノア』になったら崩壊します。事実、過去にPRIDE、戦極、(K―1)ROMANEXなど幾多の団体が滅ぼされました。だからノアは全力で藤田さんの戴冠を阻止するべきでしょう」

 とにかく言いたいのは〝藤田が王者となるのはノアにとって危険すぎる〟ということなのだろう。最後は「今の藤田さんはなんでも破壊しますから。事実、昨日も移動時も含めて8時間ぶっ続けで酒を飲んでから、コンビニでブリトーと弁当を買ってました。ブリトーを食って少し寝てから弁当を食べたそうです。ノアの前に自分の体をぶっ壊そうとしてるんだと思います」という情報も付け加えた。

 ノアではGHCナショナル王座の戴冠実績がある野獣は団体最高峰王座に届くのか。ひと筋縄ではいきそうにないが果たして――。