新日本プロレスの〝荒武者〟後藤洋央紀(43)が、14年ぶりの夏男名へ大きな弾みをつけた。NEVER無差別級6人タッグ選手権(5日、後楽園)ではYOSHI―HASHI、YOHとのトリオで「ハウス・オブ・トーチャー」(EVIL&高橋裕二郎&SHO)を破り、3度目の挑戦で王座を奪取。この勢いで真夏の祭典「G1クライマックス」(16日、札幌で開幕)に乗り込む。


 セミの矢野通 vs ディック東郷の「ドッグケージ・デスマッチ」でCHAOSと拷問の館の両軍セコンドが助太刀に入った流れで、6人タッグ王座戦がスタート。序盤は王者組が優位に進めた。

 だが、セコンドに就いた矢野の奇策でEVIL、裕二郎、東郷の3人をドッグケージ内に捕獲することに成功。残るSHOに後藤とYOSHI―HASHIの毘沙門がCYR(合体の変型首砕き)を浴びせると、3人がかりのDIRECT DRIVE(旋回式ダブルアームDDT)が炸裂。YOHの勝利を導いた。

 後藤にとって、思い入れのあるベルトだった。同王座は石井智弘、YOSHI―HASHIとのトリオで2020年8月に初戴冠。「V9」の最多連続防衛記録を樹立した。昨年11月にEVIL組に敗れて王座から陥落後、パートナーをYOSHI―HASHIとYOHに代えて1月東京ドーム大会、2月札幌大会で挑戦したが、いずれも奪回を果たせなかった。

 まさに三度目の正直で結果を残し「あいつらが落としたこのベルトの価値を、また俺らが上げていこうぜ」とパートナー2人に呼びかけた。

 真夏の祭典に向け大きな勢いをつけた。3年ぶりの夏開催となる今年のG1は、史上最多となる28選手がエントリー。後藤は棚橋弘至、内藤哲也、ザック・セイバーJr.、アーロン・ヘナーレ、KENTA、そしてEVILと同じCブロックに入った。まさに強豪ぞろいの「死の組」となる。

 それでもYOSHI―HASHIの「G1も始まる。次はシングルのベルトを巻くチャンス。俺も後藤さんもシングルのベルトをもちろん狙っていく」という言葉に呼応した後藤は「望むところだぜ、オイ!」。荒武者の熱い夏が幕を開ける。