未知なる強豪が来襲だ。新日本プロレス「ベスト・オブ・ザ・スーパージュニア(BOSJ)」(15日、名古屋で開幕)に初出場する米AEWのウィーラー・ユウタ(25)が、秘める野望を初告白した。優勝後のIWGPジュニアヘビー級王座(現王者は石森太二)挑戦の舞台を両団体の合同興行(6月26日=日本時間27日、イリノイ州シカゴ)に指定。将来的には豪華ユニットでの新日本上陸に意欲を見せた。

 3年ぶりの単独開催、全20選手の2ブロック制が復活した今年のBOSJで注目を集めているのがユウタだ。米国人の父と日本人の母を持ち、2017年にはみちのくプロレスに留学生として参戦。AEWで人気急上昇中の〝シンデレラボーイ〟で、4月に獲得のROHピュア王者として初出場を果たす。

 取材に応じたユウタは「日本のプロレスは『闘魂』を大事にしていると思っている。自分のルーツも日本なので、特別な感情を持っています。母も今回の参戦を聞いてとても興奮していたよ」と目を輝かせた。

 リーグ戦はBブロックにエントリー。「たくさんの相手をしないといけないし、大きな試練だね。(エル)デスペラード、BUSHIとの初対戦は特に楽しみだし、(エル)ファンタズモにはかつて『STRONG』で完敗してしまったのでリベンジしたい」と闘志を燃やす。

 新日本とAEWは急速に関係が深まっており、6月の合同興行も決定。ユウタは「両団体の価値は今後お互いに高まっていくだろうし、これまで見られなかった試合が見れることにワクワクしている。棚橋(弘至)といつか戦いたいと思っているんだ。でも今はBOSJに集中している。このリーグ戦に勝って、IWGPジュニア王者の石森と合同興行で試合ができるといいね」と青写真を明かした。

 所属するAEWでは「メンター」と仰ぐ元WWE王者ブライアン・ダニエルソン、ジョン・モクスリー、ウィリアム・リーガルとともにユニット「ブラックプールコンバットクラブ」で活動する。アメリカン・ドラゴンのリングネーム時代の04年にBOSJに出場したブライアンからは「幅広い選手が出ているので、戦うことで学んでこい。そして準備を怠るな」と助言を受けたという。

 BOSJはユウタにとって大きなチャンスで、今後の定期参戦も熱望する。「以前ブライアンに聞いた話だと、ファンがまだ歓声を出せない状況では来たくないようだった。この状況が終わったら、きっと来てくれるだろうね。将来的にはユニットとして新日本に上がることもできると思っているよ」。AEWの看板を背負った新星が初出場優勝を狙う。