新日本プロレス4月9日両国国技館大会で初防衛戦に臨むNEVER無差別級王者・EVILが、挑戦者の高橋ヒロム(32)を一方的に酷評した。構図は「NEW JAPAN CUP(NJC)」3回戦で敗れたリベンジマッチだが、どこまでも上から目線の王者は両国決戦を〝ボランティア〟とまで言い切る。その真意とは――。

 かつての盟友・ヒロムに自身の必殺技EVIL(変型大外刈り)で3カウントを奪われる屈辱を味わった王者は、26日大阪城大会でヒロムを襲撃。翌27日大会で「『挑戦してください』ってお願いするなら受けてやるよ」と挑発されると、再びバックステージで襲い「口に出したってことは、テメエがこのベルトかけてやりたいってことだろ? 素直に言えばやってやってもいいぜ」と王座戦を受諾した。

 かくしてベルトをかけての再戦が決定したが、挑戦表明も指名もなく意地を張り合う両者の思惑は単純ではない。本紙の取材に応じたEVILは「俺が珍しく人助けしてやったんだから、ヒロムには感謝してもらいたいくらいだ。ボランティアみたいなもんだよ。報酬といえば確実に防衛回数が1回増えるってことくらいのもんか」と吐き捨てた。

 ヒロムは新日本ジュニア戦士として唯一NJC8強入りを果たしたが、1月の東京ドーム大会でIWGPジュニアヘビー級王者エル・デスペラードに敗れたばかり。同王座の挑戦は「ハウス・オブ・トーチャー」のSHOが先に名乗り出ていたため、今回のNEVER戦がヒロムにとって唯一タイトルに絡むチャンスだったというのがEVILの主張だ。「ジュニアのベルトから遠ざかって、自分の技に自信を持てず他人の技を盗むまでに落ちぶれたヤツがタイトルに挑戦できるんだ。ここで負けたらどうなるか、アイツが一番分かってるんじゃねえか? 俺が終わらせてやるよ」と挑戦者を斬り捨てた。

 ついには「アイツは昔からウソつきだったからな。ウソつきは泥棒の始まりとはよく言ったもんだ。(負傷欠場中の)SANADAも控室でアイツのウソばっかり聞くのが嫌になったから休んでんだろ? かわいそうに…」と、事実無根の情報まで流布してヒロムをおとしめる始末。闇の王が、両国でかつての盟友を拷問の館に引きずり込む。