新日本プロレス20日札幌大会で、IWGP世界ヘビー級王者オカダ・カズチカ(34)が内藤哲也(39)の挑戦を退け2度目の防衛に成功した。

 団体創設40周年の2012年3月に「旗揚げ記念日」でIWGPヘビー級王座戦を戦ってから10年。旗揚げ50周年のメモリアルイヤーの主役の座を争う両雄の戦いは、一進一退の攻防が続いた。ヘビーレインをデスティーノで切り返されたオカダだったが、正調デスティーノは阻止してショートレンジラリアートを決めるなど一歩も譲らない。

 コリエンド式デスティーノを浴びたオカダは、内藤にスターダストプレスを決められるが、王者の意地で3カウントは許さない。デスティーノを回避し、バレンティアを何と掟破りのデスティーノで切り返す。技の読み合いから打点の高いドロップキックをさく裂させると、内藤のコリエンド式デスティーノをキャッチして開脚式ツームストーンパイルドライバーを発射。最後は正調のレインメーカーで激闘を制した。

 試合後のリング上でオカダは退場する内藤に対し「50周年にふさわしい相手、ふさわしい戦いでした。ありがとうございました」と呼びかけた。次なる戦いは3月1日の「旗揚げ記念日」と同2日の「NEW JAPAN CUP」開幕戦(いずれも日本武道館)だ。今年のNJCは史上最多の48選手がトーナメントに参戦する。オカダは「王者も出るんでしょ? 50周年スペシャルで王者も出る、ジュニアも出る。じゃあ俺の相手はジュニアチャンピオンじゃない? エル・デスペラードじゃない? NJC、是非、ご検討のほどよろしくお願いします」と、1回戦でIWGPジュニア王者との王者対決を要求した。

 メモリアルイヤーの主役として圧倒的な存在感を放つオカダは「50周年の顔は、このベルトは、誰にも譲らないという、それだけの自信もありますし、自覚もありますし。本当に王者らしい、オカダ・カズチカらしい、レインメーカーらしい戦いができたと思います」と胸を張った。

 ちょうど2年前の2020年2月の札幌大会では唐突に団体創始者・アントニオ猪木氏の名前を呼び物議を醸したが、今年の1月4日東京ドーム大会ではビデオメッセージが流れるなど猪木氏と新日本プロレスの距離は一歩ずつ進展している。

「2月20日は、猪木さんの誕生日ですから。この防衛をプレゼントとして、お返しは、新日本プロレスのリングでお待ちしてます」と、改めて現在闘病中の猪木氏が古巣マットに登場することを熱望していた。