獣神サンダー・ライガーが気になる話題やプロレス観を語る「獣神激論」。今回は新日本プロレス旗揚げ50周年の幕開けとなったレッスルキングダム(4、5日東京ドーム、8日横浜アリーナ)を大総括だ。大きな反響を呼んだ1・8横浜のノアとの対抗戦をライガーはどう見たのか。また清宮海斗に対するオカダ・カズチカの〝勧誘〟には大賛成のスタンスを示した。
【世界のレジェンド ライガーが語る獣神激論(17)】レッスルキングダム3大会が終わりました。1・4はアントニオ猪木さんのメッセージから始まって、原点回帰、温故知新でよかったと思いますね。猪木さんから見ればバカ息子と思われてるかもしれないけど、僕は付け人としていろいろなことを教わりました。アントニオ猪木はプロレス界の神ですよ。病気なんかに負けない負けない。そのうちひょっこり現れるはずですよ。
メインのIWGP世界戦では、2日間ともにオカダ選手が勝ちました。あの強い鷹木(信悟)選手を真正面から受けとめて飲み込んだのはすごいよ。次の挑戦者に内藤(哲也)選手が出てきたけど、いやーよく行ったなって。俺がもし現役でいたら…無視するね。もう少し勢いが落ちてきた時に「挑戦させろ!」って言うかもしれないけど(笑い)。今のオカダを倒す選手っているのかなとすら思いますよ。
あと5日の大会では棚橋(弘至)選手がKENTA選手との試合で見せた5メートルダイブ。やっぱり棚橋弘至は東京ドームが似合うと思いましたね。試合後に話をしてみたんですが、棚橋選手としては納得がいってないというか、自分の戦い方じゃない、と。僕も最初はそう思ってたけど時間がたつにつれて、あれは棚橋選手の新しい魅力なんじゃないかと思ってね。僕も「鬼神ライガー」をやったりして、賛否両論もありましたよ。こういう試合をどんどんしてくださいとは言わないけど、葛藤の先にまた別の可能性があるんじゃないかな。
ノアとの対抗戦も盛り上がったね。僕が一番変わったなと思ったのは中嶋(勝彦)選手。なんかもう憎たらしいオッサンみたいになって、レスラーとしての厚みが出てきてるよね。直前番組での拳王選手との舌戦が話題に? やめろっつの。ちょっと反省してるんだから。現役じゃないのに失礼しましたって。でも、拳王選手は自分を持ってるよね。一本芯が通っているというか。中嶋選手も相当刺激を受けてるんじゃないかな。
オカダ選手は清宮選手に、新日本に武者修行に来いって言ったよね。僕はそれ全然おかしくないと思うのよ。相撲でもあるじゃん、出稽古が。それを自分の部屋に持ち帰って、またみんなと練習してっていういい伝統がある。なんでプロレスはそれがないんだろうと。
負けた選手が「ウチに来い」って言われて、バカにされてるような気もしたかもしれない。でも、冷静になったらさ、ウチの軍門に下れとかそういう意味じゃなくて、もっと強くなりたければいろいろなものを吸収したらどうですかっていう提案なんだと僕は思う。
清宮選手の存在は大きかったよ。長州(力)さんが「武藤(敬司)が全部持ってくよ」って言ってたけど、なんのなんのだったね。ノアがここに清宮選手を持ってきた理由が分かる気がするもん。今回の対抗戦でノアは目の前だけじゃなく、先を見ているんだなって。オカダ選手も彼の伸びしろを感じたからこそ、ウチに来ないかって言ったんだと思うよ。箸にも棒にも引っかからない選手だったら、あんなコメントにならないよ。
新しい扉が開かれたと思うし、こういうのって全部未来につながるんだよ。それを決めていくのは、出場した一人ひとりの選手だからね。1・8は今後のプロレス界を占う興行だったんじゃないかなと思いますね。












