【新日VSノア】内藤哲也 対抗戦 “休戦” の壁ブチ壊すか「これを機に外に目を向けるのはアリ」

2022年01月09日 06時15分

ノア・拳王(右)の前で勝ち誇った内藤
ノア・拳王(右)の前で勝ち誇った内藤

 団体対抗戦、今後の行方は――。新日本プロレスとプロレスリング・ノアの対抗戦が8日に横浜アリーナで行われ、全11試合で新日本が6勝4敗1分けとし、勝ち越した。「プロレスのチカラ」を標榜し、コロナ禍の閉塞感を打破することを大義とした対抗戦。5年ぶりの両団体の邂逅は大きな話題を呼んだが、現段階では一夜限りで〝休戦〟に突入することが濃厚だ。その一方で内藤哲也(39)を筆頭に抗争の発展を求める声が上がっており、プロレス界が変革期に突入する可能性も生まれてきている。


 最終試合でオカダ・カズチカ、棚橋弘至組が武藤敬司、清宮海斗組に完勝し、対抗戦は新日本の勝ち越しで幕を閉じた。コロナ禍で世間が停滞する中「プロレスのチカラ」を旗印にドリームマッチを提供した今大会は、チケットが完売。選手もファイトでその期待に応え、7077人の観衆が独特の熱気に酔いしれた。

 それだけに今後の展開に期待する声は多いが、プロレス界には対抗戦乱発が団体の衰退を招いてきた歴史があるのも事実だ。新日本プロレスの大張高己社長は「プロレスのチカラで閉塞感のある世の中に元気を与える。その目的は大いに果たせたと思います」と話す一方で、今後については「お互い、いいタイミングが来たらあるんじゃないですかね。現段階では未定です」と語るにとどまった。

 ノアの武田有弘取締役も「次にやるときはノアが単体で横浜アリーナを埋められる団体になってないと、やっても面白くないでしょう」との見解を示す。新日本の大会という完全アウェーの環境で負け越したことで実感した、「差」を埋めることが最優先だという。

 大会前にはオカダから「オリンピアン」に対する「近所の高校生」と屈辱的な表現をされたが「オカダ選手の言うように、われわれがオリンピアンを育てて五輪を主催できる団体になってから、もう1回ですね。そのノウハウは身につけつつあるので。まずはわれわれが新日本プロレスと並ぶ団体になることでしょうね」と課題を口にした。

 このように現状では一夜限りで〝休戦〟となることが濃厚だが、リング上からはさらなる抗争発展を求める声が高まっている。エル・デスペラードとYO―HEYが互いに意識し合うコメントを残したのを皮切りに、ダブルメインイベントの1試合目で「金剛」との5対5ユニット対決(内藤、鷹木信悟、SANADA、高橋ヒロム、BUSHI対中嶋勝彦、拳王、征矢学、タダスケ、亜烈破)を制した「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の内藤も「予想以上の刺激。もっとあの刺激を感じたい」と目を輝かせた。

 中嶋や拳王との激しい攻防でファンを魅了した〝制御不能のカリスマ〟は「恐怖心や緊張もありましたけど、それよりもワクワクする気持ちのほうが上回ってましたし、本当に楽しかったですね。ここ何年間かの新日本は国内では鎖国状態みたいな感じでしたけど、これを機に外に目を向けるのはアリなんじゃないかと思いました」と主張した。

 内藤にとって対抗戦の本来のあるべき姿は、選手が主導で行動を起こして生まれる戦いだ。「まあ、仮に会社同士が今回限りと言ったとしても、そもそもわれわれは制御不能なんでね。ノアに限らず5人だけで行きたい団体があったら、どこでも戦いに行ってもいいですしね」と言い切った。

 対抗戦を通じ、新日本の課題も見えたという。オカダは清宮の成長のために期間限定の新日本参戦を提案したが、内藤は「どこかの球団のように他団体の選手ばかり集めるのはいかがなものか」と持論を展開。「そういう方法もいいとは思いますが、それより大事なのは自分たちでしっかり育てること。清宮選手のような20代のヘビー級のトップ選手が新日本にいないのは課題だと思いました」と問題提起した。

 新日本VSノアがファン、そして選手にとってもあらゆる面で〝刺激的〟な対抗戦であったことは間違いない。今後のプロレス界に新たな流れが生まれるのか。しばらくは目が離せなくなりそうだ。

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