新日本プロレス「G1クライマックス」19日大阪大会のBブロック公式戦で、オカダ・カズチカ(33)がIWGP・USヘビー級王者・棚橋弘至(44)との優勝候補対決を制し、7年ぶり3度目の優勝へ絶好のスタートを切った。

 いきなり実現したBブロックの天王山は、互いに一歩も譲らない一進一退の攻防が続いた。25分過ぎ、久しぶりにダイニングエルボードロップからレインメーカーポーズを繰り出したオカダだったが、伝家の宝刀は回避されスリングブレイド2連発を浴びてしまう。

 ハイフライフローは膝で迎撃するも、レインメーカーを決められずにドラゴンスープレックスで再び劣勢に。それでも試合残り時間1分を切ったところで激しいエルボー合戦を展開したオカダは、ロープに走った棚橋にカウンターのドロップキックを発射。開脚式の変形ドライバーからついにレインメーカーをさく裂させ、残り時間24秒で激闘に終止符を打った。

 試合後のリング上でマイクを握ったオカダは「今までのオカダ・カズチカじゃなくて〝レインメーカー〟オカダ・カズチカが帰ってきたぜ! 安心して。今、なかなか元気じゃない世の中だけど、俺が帰ってきたからには、新日本プロレス、すごい戦いを見せていくし、世界中を元気にしていきます」と完全復活を宣言。「G1クライマックスに、カネの雨が振るぞ!」と絶叫し大会を締めくくった。

 エディオンアリーナ大阪は、凱旋帰国間もない2012年2月に当時のIWGP絶対王者・棚橋の連続防衛記録をストップさせ「レインメーカーショック」を起こした原点の地。「なんか正直、グッと来ましたよ。でもグッと来て終わるだけでもしょうがないんで、ここでやっぱりなにかを、キッカケをつかまないといけないと思ってましてね。目が覚めましたよ、棚橋弘至と戦うことによって」と、近年思うような結果を残せていなかったオカダにとっては、ただのG1公式戦ではなく特別な試合となったようだ。

「出せるものを全て出して戦っていこうかなと。そういう意味ではほんとに、棚橋弘至が初戦でしたし、最高のスタートが切れたんじゃないかと思います」。文字通り「第二次レインメーカーショック」でよみがえったオカダが、7年ぶりのG1制覇へ視界良好だ。