全日本プロレスの春の祭典「チャンピオン・カーニバル(CC)」の優勝決定戦が4日の後楽園大会で行われ、青柳優馬(26)がジェイク・リーを破り初優勝を果たした。

 優勝決定戦は、Bブロックを首位で通過した青柳のらしさが爆発する展開になった。序盤から一進一退の展開ながら、蹴り足を捕獲してドラゴンスクリューで悶絶させるなど切り返し技を要所で決める。

 20分が経過すると猛攻をくらって動きが鈍くなり「もういい…」の言葉とともにジェイクにD4C狙いで抱え上げられた。するとその瞬間、体を入れ替えて「ハッハッハー!」と高笑いしながらエンドゲームで捕獲。〝死んだフリ〟でまんまと相手をハメるなど陰湿ぶりもいかんなく発揮しての昨年覇者を追い込んだ。

 最後まで互いに譲らぬ熱戦となったが、開始から約30分たったところで一昨年に習得し精度を上げてきたスピンキックを2連発で顔面に叩き込みジェイクの動きを止めることに成功。そこからロックスターバスター、THE FOOLと立て続けにマットに叩きつけて3カウントを奪った。

 青柳はジェイクに感謝の言葉を口にするとともに「俺と一緒に、全日本プロレスを盛り上げようぜ。今まで散々ののしり、ファンに今まで悪態をついてきて申し訳なかったと思っている。でも、全日本をでっかくしたいという目標は一緒だと思っているから。ここは一つ、だまされたと思って俺と一緒に全日本を盛り上げようぜ」と信じがたい言葉をかける。もちろんジェイクから返答はなかったが、去っていく背中に「時間はたっぷりある。待っていますよ。ジェイク〝さん〟」と呼びかけた。

 抗争中の黒きユニット「トータルイクリプス」率いるジェイクに共闘を呼び掛けた青柳は、返す刀で「大将! どこにいるんだ!」と自ら所属する「ネクストリーム」リーダーで3冠ヘビー級王者の宮原健斗を呼び出す。そして15日の北海道・ホテルエミシア札幌大会で行われる3冠王座戦に名乗りを上げ受諾させた。

 やりたい放題パフォーマンスを行った青柳は「この姿…違和感しかないでしょう。いいのか?全日本。CC制覇の次はあのチャンピオンからベルトを取って、俺が全日本をカオスな団体にしてやる!」と〝令和の無責任男〟ぶりをさく裂させた。王道はこの男を中心にどこに向かうのか…。

 また、これで故ジャンボ鶴田さんの29歳を大きく更新する26歳での制覇を達成したことには「最年少。いい響きですね。CCの歴史に大きく青柳優馬の名を残した」と満足げ。だが甘んじることなく「でも、今の全日本は僕よりも若いやつらがどんどん出てきているので浮かれている暇はない。全日本を叩き直すつもりでやっていくんで」とさらなる飛躍を誓った。