全日本プロレスの〝一人アンファンテリブル〟芦野祥太郎(32)が、3冠ヘビー級王座奪取と改革への意欲を語った。

 新型コロナウイルスの陽性判定が出た芦野は、自宅療養を経て17日から活動再開。前王者ジェイク・リーが負傷により返上した3冠を4選手で争う「王座決定トーナメント」(23日、東京・後楽園ホール)に予定通り出場できることになった。

 10日間練習できない期間があったというが「問題ないです」ときっぱり。1回戦で本田竜輝に勝利すれば、決勝で「諏訪魔VS宮原健斗」の勝者と激突するトーナメントについて「なんで彼(本田)が出てるのか謎ですけど。チャンピオンをケガさせれば出れんのかよって、お客さんもポカンとしていると思いますけど、俺がさっさと片づけますから。まあ、復帰して最初のウオーミングアップですね。温存して、決勝で宮原、諏訪魔どちらが来ても倒します」と自信をのぞかせた。

 原動力は団体への感謝の気持ちだ。2020年4月にW―1が活動休止になった際、戦いの場を提供してくれたのが全日本だった。だからこそ「恩返ししたい。どんな恩返し? 全日本を変えるんです。俺がベルトを取れば、まず景色が変わるでしょ。でかい選手の中で身長が低い(174センチの)自分が取れば」という思いが強い。

 また、参戦から約2年がたち感じたこともある。「『試合さえしてればいいんでしょ』っていう、ぬるま湯につかっているようにしか見えない選手がいる」と指摘した上で「レスラーが試合に集中できる環境は素晴らしいけど、そこに甘えたらダメ。フリーになってから全部自分でやってきたから、なおさら感じるんでしょうね。そこは俺が変えていかなきゃと思います」と力説した。

 得意の強権で王道マットに変化をもたらせるか。芦野流の恩返しがスタートする。