全日本プロレスの3冠ヘビー級王者・諏訪魔(44)が「暴走対決」実現に向けて本格始動だ。24日のV5戦(後楽園ホール)では芦野祥太郎(31)を退けV5に成功。王道マット再興を狙う暴走男は、因縁が生まれた“元暴走王”小川直也氏(52)に対し不穏な発言をぶっ放し、同王座戦での激突が浮上した。

 昨年6月以来、2度目となる芦野との3冠戦は序盤から一進一退の攻防が続いた。左足攻めに苦しみながらも、かんぬきスープレックスから豪快なドロップキックで吹っ飛ばして逆転。最後は延髄斬りとラリアートを挟み、岩石落とし固めで3カウントを奪った。

 試合後は芦野のレスリングテクニックと闘志をたたえ「いくらでもまたぶつかろう。それまでこのベルトはずっと巻いてるから」と握手。直後に昨年ゼロワンを離れフリーとなった佐藤耕平(43)からの挑戦表明を受諾し、V6戦での激突が決定的となった。

 3日のV4戦で青柳優馬(25)を下したのに続き、今月だけで2度の防衛に成功。心身ともに絶好調だ。「去年はコロナもあって静かにしていた」と反省すると、今年を3冠ベルトとともに逆襲する1年と位置づけ「とにかく攻めて、攻めて、全日本全体を上昇気流に乗せる」と鼻息を荒くする。その一つとして実現を目指すのが、2018年6月にプロレス・格闘技からの引退を表明した小川氏との対決だ。

 2人は動画配信サービス「Amazonプライム・ビデオ」の「全日本プロレス配信」をきっかけに因縁が勃発。諏訪魔が「どっちが暴走ナンバーワンかリングで決めようじゃねえか」と現役復帰と対戦を求めると、小川氏からは本紙を通じて「まあ、いろいろ俺には俺なりのハードルがあるから、ちょっと待てよ」「別に(復帰しても)いいんだよ」「てめえのほうこそ、俺が戻ってこないと思ってボロクソ言ってるんじゃねえか?」と返答された。

 これに対して諏訪魔は「俺だってすんなりと実現すると思ってないし、一歩一歩確実に動くつもりだよ。ただあの返事は見たけどさ、どっちかはっきりしねえじゃん。そうだな、こうなったら、あいつの茅ヶ崎の道場に直接乗り込んで、やる気があるのかどうか聞いてやろうか」と“道場殴り込み”も辞さない構えを示した。

 さらに年内の東京・両国国技館大会開催を目指すことを改めて強調し「両国で小川と3冠戦っていうのも面白いんじゃないか?」と呼びかける。かつて小川氏と同じアントニオ猪木氏門下の“野獣”藤田和之(50)との対戦に向けて動き、実現に導いた実績もある。今年の諏訪魔は何かやってくれそうだ。