東京女子プロレスのシングル最強を決めるトーナメント「東京プリンセスカップ」決勝戦(15日、後楽園ホール)は伊藤麻希(26)が初優勝し、10月9日の東京・大田区総合体育館大会でのプリンセス・オブ・プリンセス王座挑戦が決まった。

 中島翔子との決勝はトペ・スイシーダで流れを変えられ、ジャベ(複合関節技)につかまる苦しん展開。しかもフライングビッグヘッドをかわされ、7月31日の鈴芽戦で「左頬骨不全骨折」を負った自慢の顔に激痛が走った。

 それでも諦めない伊藤はノーザンライトスープレックスを2カウントで返すや、伊藤パニッシュ(変型逆エビ固め)で反撃。619(ロープ上のブーメランキック)をキャッチし、必殺の伊藤デラックス(変型テキサス式四つ葉固め)につないでタップを奪った。

 試合後はマイクを握ると「不幸自慢じゃないけど、ずっと踏んだり蹴ったりの人生だった。アイドルをクビになり、小顔整形しても全然小顔にならなかったり。借金とかいっぱい背負ったし、トーナメント中に顔面を骨折するし。でもハッピーエンドって本当にあるんだなって。バッドエンドなんかなくて、それは物語の途中なだけで、ハッピーエンドって絶対に存在すると思う」と涙を浮かべながら語った。

 そんな伊藤には「121000000(ワントゥーミリオン)」でコンビを組む王者の山下実優が次期挑戦者に指名。10月9日大田区大会での王座挑戦が決まった。

「このトーナメント優勝して、過去一番自信がある。山下が自分から『やろう』と言ってくれたことがうれしかった。山下のおかげで救われているところがあるから。本当に楽しみ」と心待ちにした伊藤は「みんな前を向いて! 向けなかったら伊藤のプロレスを見て!」とファンにメッセージを送り、次なる目標を見据えた。