プロレスキャスター・元井美貴 15日発表「プロレス大賞」を占いました 今年の象徴はやっぱり…

2020年12月03日 11時00分

元井美貴

【プロレスキャスター・元井美貴の本日、プロレス日和】 47回目を迎える東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」が15日に発表される。選考会を前に、本紙「本日、プロレス日和」を好評連載中のプロレスキャスターで、プロレス大賞選考委員を務める元井美貴氏が今年のマット界を振り返った。新型コロナウイルス感染拡大の影響で大会の自粛や無観客試合を余儀なくされ、現在も観客数を制限しての興行が続く激動の2020年、マット界の主役を担ったのは――。

 全世界を襲った新型コロナウイルスの影響で今年のプロレス界も一度は時が止まり、先が見えない中での再スタートとなりました。振り返ってみると、2020年は新日本プロレス・内藤哲也選手(38)の年だったように思います。1・4東京ドームでジェイ・ホワイト選手からIWGPインターコンチネンタル王座を取り、1・5ドームでは史上初となるIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ選手とのダブルタイトル戦を実現させ、2本のベルトを手に入れる偉業を成し遂げました。

 内藤選手が8月の神宮球場大会でEVIL選手から2冠王の座を取り戻し、リングから呼びかけたのは「スペレーモス、フントス!(みんなで一緒に乗り越えましょうという意味のスペイン語)」という前向きな言葉。希望を意味する「エスペランサ」という技もそうですし、不安な世界を照らす明るい光のようなメッセージを届けてくれる存在だと思います。

 また、今年はお客様が声援を送れない状況でゴツゴツとした打撃音が会場に響きました。中でも、NEVER無差別級ベルトの価値を高めた鷹木信悟選手(38)は「名勝負に鷹木信悟あり」と感じるほど。裏切りや反則裁定の試合も少なくなかった今年ですが、かえって真っ向勝負の戦いが心に響きましたよね。

 他団体では全日本プロレス・諏訪魔選手(44)の活躍が目立ちました。宮原健斗選手が3冠ヘビー級王座の防衛を続けていましたが、3月にベルトを奪取し時代を取り戻しましたね。今後は女子プロレスラーを育成すると発表され、いろいろな意味で暴走ぶりが気になるところです。

 タッグ戦線は新日本「ワールドタッグリーグ」と全日本「世界最強タッグ決定リーグ戦」の行方を追いかけている最中ですが、8月に大日本プロレスのBJW認定タッグ王座を戴冠した「アストロノーツ」(野村卓矢&阿部史典)に未来を感じています。

 ベストバウト候補としては9月20日のG1クライマックス(エディオンアリーナ大阪)、内藤選手対棚橋弘至選手の試合が心に刺さりました! かつて内藤選手があこがれていた棚橋選手は鬼気迫る表情で2冠王者を攻め続け、一つひとつの技に覚悟と生きざまを感じさせる一戦でした。プロレスの神様が降臨したような尊さを感じます。

 女子ではスターダムのジュリア選手(26)が1年を通じて注目を集めていたと思います。肉体改造ぶりからも陰なる努力が伝わり、1月に立ち上げたユニット「ドンナ・デル・モンド」は常に話題の中心になりました。強さ、かっこよさを前面に出して独自の世界に引き込む姿は、女性が見てもあこがれの対象です。

 また東京女子プロレスの坂崎ユカ選手は、発言にもプリンセス・オブ・プリンセス王者として団体を背負う心意気が感じられます。アイスリボンのICE×∞王者の鈴季すず選手(18)は17歳の8月にベルトを巻き、すでに貫禄を漂わせていますし、これからも楽しみですね。

 楽しみといえば! 11月に電撃帰国してドラゴンゲート最高峰のドリームゲート王座をEita選手から奪ったシュン・スカイウォーカー選手(24)のこれからにも注目です!

 今年は無観客での試合も多く、3月29日のノアGHCヘビー級選手権(後楽園)での潮﨑豪選手対藤田和之選手の31分にわたるにらみ合いなど、選手の気迫や息遣いがより伝わる年だったと思います。皆さんはどの選手の姿が心に残りましたか? 15日の発表まで、それぞれの賞を思い浮かべながら楽しみに待ちましょう。

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