新日本プロレスのIWGPヘビー級王座から陥落したケニー・オメガ(35)が6日、日本マットを離れる決意を明かした。今月限りでの新日プロ離脱は避けられない見通しで、主戦場を海外に移すことが確実。新天地はジ・エリートの盟友たちが参加を表明している米国の新団体「AEW(オール・エリート・レスリング)」か、世界最大団体のWWEに絞られそうだ。

 1・4東京ドーム大会で棚橋弘至(42)に敗れたケニーは、翌5日の後楽園大会に姿を見せず、去就が注目されていた。その理由の一つが、1日に設立が正式発表された「AEW」の存在だ。

 NFLジャクソンビル・ジャガーズ共同オーナーの大富豪トニー・カン氏がオーナーを務める同団体は、すでにエリートの盟友だったヤングバックス(マット&ニック・ジャクソン)、Cody、ハングマン・ペイジが契約を結んだことが明らかになっている。

 この日、本紙の取材に応じたケニーは「今思うとあの試合は主人公を決めるような戦いだった。勝ったほうが正義。少し言い過ぎてしまうけど、俺が頑張ってきたことが最終的には主人公の敵になるためだけだった…それが悔しいことだった。もちろん悪いのは負けた私だ。全て自分の責任」と棚橋戦を振り返った。

 さらに気になる今後についても言及した。「今は入れる場所もないし、新日本にいない方がいい。新日本はまた棚橋の時代になった。棚橋の新日本の役に立てない。もちろん棚橋の方が優れているとも、強いとも思ってない。だから、いつかもし再戦があればやりたいかなと思っている。でも今のところはしばらくリングに立たない方がいい。それは新日本だけでなくて、ちょっと休んで考えて…違う作戦をつくる」と語った。

 となると選択肢はAEWか、これまで度重なるオファーを受けたWWE以外には考えられない。次のリングについては「もしも俺がWWEに行ったらそこのファンが喜ぶし、AEWに行ったらそこのファンが喜ぶ。ケニーが行って『うれしい』と言われる場所にいたい。それが今は新日本ではないから、俺はいなくなる」と口にしつつ、新日プロとの契約が今月末まで残っていることから「自分自身でもどうなるか分からない」と明言を避けた。

 ともあれDDTに初来日した2008年から10年以上にわたり活躍した日本マットを離れる決意は並大抵のものではなく、覆ることはないだろう。多くの国内ファンに愛されたベストバウトマシンは、新たなステージに進む。