“革命戦士”長州力(66)のプロデュース興行「POWER HALL」第2弾大会が10日、東京・後楽園ホールで開催され、メインの6人タッグ戦で長州は専修大レスリング部の後輩で全日本プロレス社長の秋山準(48)と初対決。ランニングニーを浴びるとまさかの3カウントを喫して、試合後は来年限りでの引退を表明した。

 長州は関本大介(37)、ヨシタツ(40)を、秋山は橋本大地(26)、黒潮“イケメン”二郎(25)を率いてリングに上がった。ゴングと同時に秋山とロックアップした長州はエルボーにもひるまず、正面から豪快なタックルを見せる。執拗なイケメンの挑発をかわすと、自軍でコーナーで太鼓の乱れ打ちを連発して場内を沸かせた。

 しかし16分過ぎ、秋山にラリアートからサソリ固めを仕掛けた後にまさかの光景が訪れた。秋山の強烈なニー連打を浴びて、ロープ際で大の字に。ロープエスケープするかと思われたが、そのまま3カウントを聞いたのだ。

 前回(1月14日、後楽園)に続いて超満員札止めを記録した1526人の大観衆も声を失うエンディング。革命戦士は黙ってリングを下りたが、控室前ではさらに予想外の展開が待っていた。

「試合に向けてトレーニングするのがもうしんどい。古傷もつらくなっている。リングに上がるのが怖くなった。(正式な)発表はしないけれど、来年は少しのオファーが残っているのでそれを終えたら、もう十分」と来年での“再引退”を表明したのだ。

 さらに「(相手を)抱えるのがもうしんどい。小さい相手でも上がらなくなった。それは今年初めから痛感していた。このままナメてかかってたら何かが起きる。体力が半分でも残っているうちに辞めたい。(残りの人生で)やりたいこともあるしね。じゃあそういうことで」と弱音ばかりのまま、控室へ消えてしまった。

 とはいえ、まだ革命戦士はマット界に必要とされているのも事実。8月5日には全日プロの金沢大会に出場も決まっており、この日は第3弾大会(12月28日、後楽園)の開催も発表された。

 長州は1998年1月の新日本プロレス・東京ドーム大会で引退式を行うも、2000年7月に邪道・大仁田厚の執拗な挑発を受けて現役復帰。その後も引退説が流れた。初対戦、しかも専大の後輩・秋山に敗れて弱気になっただけと受け止めたいが、長州の正式な決断が待たれる。