7球団による早実・清宮幸太郎内野手(3年)の大争奪戦となった今年のドラフトだが、清宮以外にも才能あふれる選手たちが、各球団に指名された。ではその中で、うまいドラフトを展開した球団はどこか。そして大失敗した球団は…。元スカウトで本紙評論家の得津高宏氏がズバリ採点した。
「今年はどうにも納得できない球団から話してもいいでしょうか。巨人の指名は、スカウトをやっていた者としては非常に違和感を覚えます。スカウトというものは投手をどれだけ取れるかというのをまず考えます。ですが、育成を除いて指名した投手は1人だけ。一方、上位で社会人の捕手を2人も指名した。しかも同じ関西から。バランスどうこういうより、はっきり言って異質です。若返りがテーマの球団にありながら、捕手には小林、宇佐見という若い選手がいる。高校生の捕手を取るならまだわかりますが…。外れ1位で村上を外し、慌ててしまったのでしょうか。取るべき選手はもっとほかにもいたのでは、と思います。低い評価をつけざるを得ません」
一方、評価が高かったのが、清宮の交渉権を獲得した日本ハムだ。
「清宮を抜きにしても、この球団は指名バランスがいいです。投手をしっかり5人指名し、2位の西村は即戦力で1位級の力を持っていると思います。7位で宮台を指名したのも好印象です。他球団は実力的に高い評価ではなかったようですが、プロで成功できるかどうかは野球の能力だけに限りません。将来の幹部候補生として球団、ひいては親会社の大きな力にもなるのでは。そこまで含めての指名だと思います」
次いでDeNA、オリックスも高評価だ。
「DeNAは清宮に目もくれず東を単独1位指名。チームにいい左投手がいるにもかかわらずの指名は、さすが気心知れた高田(GM)—吉田(編成部長)ラインだと思いました。投手はどれだけいても戦力的にはダブつかない。しかも左投手ならなおさらです。ここも投手を5人指名。思惑通りのドラフトだったのではないでしょうか」
「オリックスもいいですね。社会トップレベルの田嶋、鈴木康を1、2位で確保できました。この球団は例年、いい即戦力投手を獲得できているのですが、今年はとりわけすばらしい。ドラフトとしては文句なしと言えると思います」
続いて「平均点以上」としたのは西武、ロッテ、ヤクルト、楽天の4球団だ。
「西武は相変わらずうまい。中央球界から離れたところから、B、Cランクの選手をうまく発掘してくる。いいとこ見ているなというのが率直な感想です。ロッテはとにかく戦力補強したいから即戦力中心ですが、安田を取れたのが大きい。待望の4番を打てる大砲で、2年後ぐらいには一軍で大活躍させたいですね。ヤクルトは育成選手を取ってほしかったが、8位まで指名したので、まずまずでしょう。チームにとっては高校生捕手の村上が、希望の星となるのかな。これからの育成しだいだと思います。楽天は2位の岩見が面白いですね。今の日本人選手で長距離砲の外野手は、あまりいないでしょう。貴重な人材だと思いますし、監督の後輩なのに巨人がいかなかったのが不思議なぐらいです」
以下は阪神、広島、中日、ソフトバンクという順だった。
「阪神は去年に比べれば…という感じ。馬場を取れたのはよかったが、高校生が6位の1人だけというのは、バランスとしてちょっとどうかなと思います。広島は高校生中心はいいのですが、チームの課題でもある左投手を1人も指名しなかったのが気になります。このあたりチーム方針として、右左のバランスにこだわりがないのかもしれませんが、私としては評価を下げたいと。中日も高校生中心で将来は楽しみなのですが、あれでよく森監督が納得したな、という印象。弱いチームの監督は即戦力を欲しがるものですからね。ソフトバンクは1位で3連敗しましたが、吉住もいい真っすぐを投げる投手だし、よく立て直したなという印象。それから5位で田浦がよく残ってましたよ」
結果が出るのは5年後になるか、10年後になるか…。今年指名された選手の中から、球界を代表する選手が出てきてほしいものだ。
【得津氏の評価】
S=日本ハム
AAA=DeNA
AA=オリックス
A=西武、ロッテ、ヤクルト、楽天
B=阪神
C=広島
D=中日、ソフトバンク
E=巨人












