中日・根尾昂投手(22)が初登場となった東京ドームのマウンドで圧巻の投球を披露だ。自己最速タイとなる154キロを計測するなどキレキレの投球で中田、岡本和の2人を連続三振に斬って取り、投手としての成長ぶりを見せつけた。新たなフェーズに入った22歳右腕について中日OBで本紙評論家の宇野勝氏(64)は9月中の「先発テスト」を推奨。背番号7のさらなる進化に期待している。

「東京ドームで初めての登板だったので、しっかり自分の投球ができるよう心掛けました」。チームが0―6と完敗した試合で根尾が希望の光を放った。

 7回一死から3番手としてマウンドに上がると中田を137キロスライダー、岡本和を152キロ直球で連続空振り三振。この日は自己最速タイとなる154キロを計測し、立浪監督を「今日はコントロールは別としてボールに力があった。点を取られてからになってしまったんですけど、中田、岡本のところでいこうと思っていた。あの2人を三振に取ったわけですから自信にしてもらいたい」と、うならせた。

 根尾はここまで17試合に登板し、防御率2・76。シーズン途中での投手転向には当初、懐疑的な声も上がっていたが「投手に転向したばかりとは思えないほど戦力となっている」(チーム関係者)と根尾への信頼感は日ごとに高まっている。この日の投球について宇野氏も「速いボールというのは打者が一番打ちにくい。(この日2本の適時打を放つなど)あれだけ当たっていた中田がボール球のスライダーで空振り三振したのもその前のストレートにキレがあるからだよ」と確かな進化を感じている。

 根尾は20日(バンテリン)のヤクルト戦で2回40球を投げるなどイニングまたぎもすでに4度経験。着実に投手としてのステップを踏んでいる。それだけに宇野氏は「最初は70~80球ぐらい」と球数制限を前提としながら「9月には9連戦もあるし、ローテの谷間のときに根尾を先発させてもいいと思う。中日はライデル・マルティネスとジャリエル・ロドリゲスのキューバ人2人がしっかりしているし、(現在、新型コロナウイルス陽性判定で離脱中の)清水も成長して後ろは充実している。(根尾を)先発として育てるつもりなら今季中に経験するのもあり」と来月中の先発登板の実現に期待している。

 その一方、野手から投手に転向したことで球団内には「一桁は野手の背番号だし、投手にふさわしい背番号をつけてもいいんじゃないか。(エース番号で星野仙一、小松辰雄らの)20番も空いているしね」と将来的な根尾の背番号変更の可能性に言及する声もある。

 だが中日の背番号7の大先輩でもある宇野氏は「日本では背番号7の投手は珍しいけど大リーグ・ドジャースで活躍しているフリオ・ウリアス投手も背番号7。(根尾も)同じように7番で活躍していってほしい」と昨季20勝、今季もここまで13勝を挙げているウリアスのように背番号7の投手として大成することを熱望している。

 最下位に沈むドラゴンズにあって根尾はマウンドに上がるだけでスタジアムの雰囲気を変えてしまう存在。今後の起用法、背番号がどうなるかも含め、注目度はさらに高まりそうだ。


【ひとケタ背番号の投手】NPBでの投手の背番号は、やはり1桁が少ない。その中でも「1番」は高校野球でのエースナンバーということもあり、NPBでもつける選手はある程度いる。主な選手は鈴木啓示(近鉄)、愛甲猛(ロッテ)、中込伸(阪神)、近藤真一(中日)、加藤伸一(オリックス)、大嶺祐太(ロッテ)、斎藤佑樹(日本ハム)、松井裕樹(楽天)、風間球打(ソフトバンク)ら。

 その他の番号ではカーター・スチュワート(ソフトバンク)が「2番」で、マット・キーオ(阪神)、武田一浩(日本ハム)、藪恵壹(阪神)らが「4番」。「0番」をつけた投手としては松浦宏明(日本ハム)、吉田篤史(ロッテ)、山崎福也(オリックス)らがいる。