メジャー関係者が日本人野手の内向化加速を予測している。

 シーズン216安打のNPB記録を持つ元レッズ・秋山翔吾外野手(34)が2020年に結んだ3年契約をまっとうできずに先日帰国。広島入団が決まった。

 これで現在メジャーリーグに所属する日本人野手はカブス・鈴木誠也外野手(27)、パイレーツ・筒香嘉智内野手(30)の二人となった。日本人野手を取り巻く状況は厳しく、今後の挑戦者減少も予想されている。

 日本球界に詳しいメジャー関係者はこれまでメジャーデビューに至った日本人のNPBプレーヤーの内訳を投手46人、内野手7人、外野手9人、捕手1人、二刀流1人とした上でこう語る。

「(1995年の)野茂の挑戦から、これだけサンプルが出そろって正直、リスクを負わずに日本人プレーヤーと契約するなら〝投手優先〟という大きな流れが作られてきた。環境へのアジャストやパワー不足という面で、野手には厳しい状況が続いている。(19年オフの広島)菊池、(20年オフの日本ハム)西川(現楽天)ら非力な守備型タイプの野手に需要がなかったように、今後も日本人野手への関心はヤクルト・村上のようなパワーヒッターに限定されてくるだろう」

 これまでメジャーデビューした計18人の日本人野手(大谷を含む)のうち、渡米後、新たにメジャー球団と新契約を結び直した選手は13人。そのうち7人がイチロー、新庄、田口、松井秀、青木、福留、筒香の外野手で内野手では松井稼、井口、岩村、川崎の4人。そして二刀流の大谷と捕手では城島がいるだけだ。

 この状況から「投手に比べて野手のメジャー挑戦への精神的ハードルはより高くなる」と前出関係者は今後を予想している。

 その一方で、同関係者は「それでも、次の誰かがリスクを負って道を切り開いていかなければ、日本人野手の評価自体が上がっていかない」とも忠告するのだが…。気概を持ったチャレンジャーは現れるのだろうか。