荒稼ぎには理由があった。4連勝中の広島は今季最多タイの貯金7で首位に立つ。〝財源〟となっているのは7勝1分けの阪神戦と8勝1敗のDeNA戦で、2チームから計14の貯金を貢いでもらっている。特に阪神には昨季12勝12敗1分けと互角だっただけに、大きな変化と言えるだろう。

 要因を一つに絞ることは難しいが、舞台裏で働く裏方スタッフの仕事ぶりも見逃せない。中でも先乗りスコアラーとして主に阪神戦の分析担当を務め、対戦時にはベンチ入りする岩本スコアラーは、ここまでチームの「勝ち神」的存在となっている。

 阪神戦8試合で無敗というだけなく、4月22~24日のDeNA3連戦でもスコアラーとしてベンチ入りすると3連勝。岩本スコアラーは「たまたまです。選手たちが頑張ってくれているおかげです」と謙虚に話すが、ベンチ入りした試合では今季10勝1分けと負け知らずだ。今季からチームや相手球団の戦力分析を行う編成部の分析班に専門のアナリストが加入。後方支援体制が例年以上に強力な布陣となった点も現場を下支えしている。

 甲子園球場で予定されていた12日の阪神戦は降雨中止に。佐々岡監督は「当然(試合をやりたかった)ね。調子が上がってきていたし。まあ天気のことは仕方ない。いい休養ととらえたい」と苦笑いだったが、今日13日から首位を争うヤクルト3連戦(マツダ)、17日から巨人3連戦(東京ドーム)が控えており、交流戦前の大一番に向けて英気を養えたのも確か。一体感が増した佐々岡カープの進撃は、まだまだ続きそうだ。