ロッテの佐々木朗希投手(19)が10日の楽天戦(ZOZOマリン)に先発し、プロでは自己最長となる8回を投げ、2安打2失点の無四球ピッチング。白星こそつかなかったが、9三振を奪い、自身公式戦最速となる158キロもマークした。チームはレアードのサヨナラ本塁打で、がっちり首位をキープした。

 この日は楽天先発・田中将との投げ合いとなったが「憧れていたので、すごくその思いもよぎりながら一生懸命投げた」(佐々木朗)と、堂々とした内容で8回まで互いに2失点と譲らなかった。ロッテOBで本紙評論家の得津高宏氏は「見ていて本当に安心できる投球内容でした。制球がいいから大崩れしない。球速も上がってきているし、CSのころには普通に160キロは出ているのでは。今は体力的な問題で登板間隔を10日以上、空けているようですが、そろそろ中6日でもいけそう。いけるのであれば今のロッテの投手陣では、間違いなくエース級の存在です」と大絶賛した。

 春先の佐々木朗は、直球が常時152キロ程度だったが、この日は常時155キロ程度をマークしており、得津氏は「打者からしてみれば、この3キロは全然違う。左打者に対し、フロントドア気味にシュート回転する内角直球もよかった。同じようなタイプとしてはソフトバンクの千賀がいますが、今の千賀はコントロールが悪い。私から言わせれば、朗希くんのほうが千賀以上と言ってもいいと思っています」とも評した。

 シーズン終盤を前に、着々と本格化しつつある「令和の怪物」の存在が、16年ぶりのVを目指すロッテにとってはとてつもなく大きな〝切り札〟となりそうだ。