日本野球機構(NPB)とJリーグが合同で設立した「新型コロナウイルス対策連絡会議」の第34回会合が21日、Web会議システムで実施された。

 新型コロナウイルスワクチンの企業や大学などによる職域接種がこの日、本格的にスタート。同会議でもワクチン接種に関する議題が中心となった。会議終了後、Jリーグの村井チェアマンらとともにオンライン会見に応じたNPB・斉藤惇コミッショナー(81)は「職域接種は球団単体で行うところや1000人以上の組み合わせでつくられるところもあり、いろいろある。われわれ機構は大学や医療機関などと協力して職域をつくってやるということで一応、関係者全員が接種できる体制を敷いてある」と説明。プロ野球側の接種完了時期については親会社や球団などの都合もあると前置きしつつ「ざっくりとした見方でオリンピックが終わるころ。従って後半(戦)は希望者がみんな(2度)接種した状態でできるのではないかという思いでいる」との見解を明らかにした。

 その一方で「選手や関係者の接種は促進しなければいけない。悩ましい問題は、濃厚接触者の認定で注射を打った方と打たない方をどういうふうに分けられるのか、分けられないのか。まだ行政や医療関係者から、はっきりした見方が出ていないということ。これはみんなで何とかしていかなければいけない。どうしても打った人と打たない人というのは結果的には差別的になるという問題もある」とも述べた。

 NPBおよび12球団、そしてJリーグでは接種を希望するか、しないかに関して選手、関係者に選択権が与えられ、基本的に個々の意思を尊重することになっている。専門家チーム座長の賀来満夫氏は「ワクチンを打った人が濃厚接触者の定義に当てはまらないかどうかの議論はまだこれから。ワクチンを打ったから絶対かからないというわけではない。その辺りのエビデンス、政府、厚労省の議論も見ながら。NPB、Jリーグともこれから議論を進めていく」と慎重な言葉とともに説明し、今後の方向性を語った。

 斉藤コミッショナーは「われわれとしてはJリーグさんと一緒になって選手らの声も入れ、国民に(接種を)推進していきたいと思う」と力説。NPBとしては積極的にワクチン接種を行っていく姿勢を強調していた。