11日の楽天に3―2と逆転勝利を飾った阪神で、佐藤輝明内野手(22)は、持ち前の長打力ではなく脚力で貢献した。

 2点を追う5回の第2打席。楽天・涌井に対し、無死から四球で出塁すると、二死後の糸井の打席で「思い切っていきました」と今季5個目となる二塁盗塁に成功。捕手の悪送球も誘い三塁まで進塁後、糸井の内野安打が飛び出し、1点を返し、劣勢から攻勢に転じる起点を作った。

 この日は父方の祖父母が暮らす仙台での一戦。スタンドからは、祖父・勲さんや、祖母・美恵子さんが孫の雄姿を初観戦に訪れ「私もじつは孫が(阪神に)入るまでは(地元の)楽天ファンだったんですけど、孫が(阪神で)出ているようになれば、そうもいかないんで(笑)。阪神のほうに集中してます」(勲さん)と声援を送っていた。

 3―2と逆転直後の6回の第3打席では、涌井から中前打も放ち、快音で〝祖父母孝行〟にも成功。12、13日の試合も観戦予定で、佐藤輝も「明日、明後日も見に来てくれるということなので、ホームランとか打つところとかを見てもらえたら」と話し、一層の奮起を期していた。