阪神Vのカギ握る“16タコ男”ロハス 本紙評論家・伊勢孝夫氏「ファームで再調整させよ」

2021年05月15日 05時15分

空振り三振に倒れるロハス

【新IDアナライザー 伊勢孝夫】阪神は14日の巨人戦(東京ドーム)に2―1で快勝。2位巨人とのゲーム差を4・5にまで広げ、貯金も今季最多の16とした。チームがさらに勢いづく中、一人蚊帳の外なのが新助っ人のメル・ロハス・ジュニア外野手(30)だ。この日も2三振を含む4タコでデビュー以降16打席連続の無安打。昨季、球団ワースト記録を樹立してしまったボーアの18打席連続無安打まであと「2」に迫ってしまった。ローズ(元近鉄)、バレンティン(ソフトバンク)らを育てた名伯楽・伊勢孝夫氏(76)はロハスの置かれた現状をどう見ているのか。

 ロハスの打撃は右打席にしても左打席にしても、上体でボールを追いかけすぎている。体の中心線がブレているので、速い球を打っても詰まるし、緩い変化球にはなおさら対応できようがない。このままではシンドイだろうな、というのが私の率直な感想だ。真横(三塁ベンチ)から見ている阪神の打撃コーチ陣も気付いているとは思うのだが、なぜ修正の手を施そうとしないのか。私には疑問だ。

 ここまで結果が出ていない焦りも当然あるのだろう。ただ、現状のロハスの崩れた打撃フォームを見ると、一本ヒットが出れば安心して一気に打ち始めるといったような気配はない。この日の試合もそうだったが、3番・マルテ、4番・佐藤輝、5番・サンズがそれぞれ好調を持続しているので必然的に6番のロハスに、走者がたまったシチュエーションが訪れるようになる。この日も2度の得点機で凡退(4回・空振り三振、8回・捕邪飛)。この打順の並びだと阪神の得点能力は一気に落ちてしまう。

 マルテ、サンズも結果を残しているし、抹消中のガンケルの再昇格も近いと聞く。外国人枠の問題もあることだし、ロハスは一度ファームでみっちり再調整させるべきだ。私が打撃コーチなら彼とマンツーマンで、スローボールを徹底的に打たせる練習に取り組む。彼に今必要なのは、ボールをゆっくり呼び込んで強い腰回転でボールを打つフォームを取り戻すことだ。

 韓国球界で打撃2冠(47本塁打、135打点)を獲得しているだけに地力はあるとみている。問題点を時間をかけて修正すればいずれチームの役に立ってくれるはずだ。

 マルテ、サンズもいずれは状態が落ちる時期がくるだろう。その時までにロハスがしっかりと状態を上げて一軍に戻ってくれば、阪神の16年ぶりリーグ制覇は一層現実味を増す。チーム状態のいい今こそ、ロハスを再調整させる絶好のチャンスだ。

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