コロナ集団感染で打撃の阪神 育成2選手駆け込み支配下登録のウラ

2020年10月01日 05時15分

左から横山雄哉、石井将希

 いろいろ思惑が絡んでいたようだ。阪神は今季の支配下登録期限である9月30日に育成契約だった横山雄哉(26)、石井将希(25)の2左腕を支配下登録した。

 2014年ドラフト1位で一軍経験もある横山は17年の左肩手術から復活で「チームに勢いをつけられるような投球ができれば」と意気込んだ。17年育成ドラフト1位の石井は中継ぎで今季二軍戦17試合に登板し、防御率1・06の成績が評価された。育成最終年での支配下登録に「正直、ホッとした」と喜んだ。

 阪神では同日までに選手、一軍スタッフ9人が新型コロナウイルスに集団感染。濃厚接触者の隔離措置などで選手が大量離脱している。一軍の左投手では岩貞、岩崎も離脱中で中継ぎ左腕はベテランの能見しかいない。矢野監督も「チャンスは大いにある」と期待をかけており、横山と石井が近日中に一軍のひのき舞台に立つ可能性は十分にある。

 2投手の支配下登録には、戦力としてだけでなく10月26日のドラフト会議を見据えた球団のイメージアップという〝別の狙い〟もあったようだ。

 本番まで1か月を切った現在は、各球団とも最終的な指名候補者の絞り込みに入っている段階。他球団と競合確実な1位指名候補などには、事前に高校や大学などの学校側が設けた面談で担当スカウトらが〝恋人〟に育成環境や起用ビジョンなどをアピールするのが近年の傾向となっている。

 そんな大事な時期に阪神では最年長の福留や主将の糸原が球団内規を破って行動した結果、新型コロナに集団感染した。15年ドラフト1位の高山ら大卒野手の多くが伸び悩んでいる現状もあり、他球団に比べるとプラス要素は多くない。

 だからこそ育成出身の石井が3年の下積みを経てブレークしたり、横山が手術→リハビリの苦労を乗り越えて復活すればチームとして助かるだけでなく、ドラフトで選手を輩出する側の学校関係者に「面倒見の良さ」をアピールする絶好の材料にもなる。一石二鳥のプランが現実となるか注目だ。