開幕後にわかる松坂の「餌まき」の中身

2020年03月24日 16時30分

松坂は公式戦でどんな投球を見せるのか

【楊枝秀基のワッショイ!スポーツ見聞録】ベテラン選手であればこそ、その言葉には説得力が生まれる。開幕前の実戦で行われる「餌まき」行為。22日の練習試合・日本ハム戦(メットライフ)登板後の西武・松坂大輔投手(39)のコメントの「真偽のほど」は開幕後にわかることになるだろう。

「今回は本来の開幕シリーズの相手でしたが、練習試合なのでいろいろと試しながら投げました。収穫はあったと思います」

 記録上は5回で22打者を相手に84球、4安打、5四死球、4失点。公式戦なら打線の援護に恵まれての移籍後初勝利となっているはずだった。とはいえ、お世辞にも好投とはいえない内容に、本人が「収穫」を感じているのは、どういうことなのだろうか。

 かつて、こんなことがあった。1999年3月11日のことだ。ルーキー・松坂はオープン戦3試合目で初の巨人戦(西京極)に臨んだ。

 スタメンには1番・仁志敏久、2番・清水隆行、3番・松井秀喜、4番・広沢克己、5番・高橋由伸、6番・石井浩郎など豪華メンバー。この試合で「平成の怪物」は初回から5失点するなど、4回9安打8失点とめった打ちに遭った。

 周囲はザワついた。「クセがバレている」「フォームが悪い」と、注目の新人の実力に懐疑的な意見が飛び交った。だが、当時の松坂はまったく動じなかった。

「あれだけの打者が揃っている巨人相手だからこそ、試せることがあった。ここに、これぐらいのボールを投げると打たれるのか、みたいなね。今の僕の立場でこんなこと言っちゃうと怒られますよね。抑えにいったボールでは抑えられたんで心配してません」

 その後の松坂が歩んだ道は誰もが知るところだ。

 当時と現在では松坂の立場、年齢、体力が同じではない。それでも、松坂が漫然と5回を投げ「言い訳」をしたとは到底思えない。2回まで55球を要しながら、残り3回を29球1安打1失点。何かを試したことは確かだと思われる。

「餌まき」行為がどういうものだったのか。開幕後の松坂の投球が楽しみで仕方がない。

 ☆ようじ・ひでき 1973年8月6日生まれ。神戸市出身。関西学院大卒。98年から「デイリースポーツ」で巨人、阪神などプロ野球担当記者として活躍。2013年10月独立。プロ野球だけではなくスポーツ全般、格闘技、芸能とジャンルにとらわれぬフィールドに人脈を持つ。